ニュース速報

ビジネス

出光と昭和シェルが株式交換比率で合意、19年4月に統合へ

2018年10月16日(火)17時51分

 10月16日、出光興産と昭和シェル石油は、経営統合に伴う株式交換比率を1対0.41とすると発表した。写真は出光興産のロゴ。都内で2016年8月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 16日 ロイター] - 出光興産<5019.T>と昭和シェル石油<5002.T>は16日、昭和シェル株1株に対し、出光興産株0.41株を割り当てると発表した。株式交換は2019年4月1日に実施し、経営統合する。石油業界の大型再編は当初の発表から3年を経てようやく実現する。

同時に発表された経営統合後の出光興産の経営体制では、社長に出光の木藤俊一社長が就き、昭和シェルの亀岡剛社長が代表権のある副会長になる。出光の大株主である創業家側からは、出光昭介名誉会長の長男正和氏が非常勤の取締役、弁護士の久保原和也氏が社外取締役に就任する。

出光正和氏は出光興産を通じてコメントを発表。「持続的な企業の成長にあたって普遍的な価値を持ちうる出光理念の実践という観点から、執行と一体となって、企業価値の最大化に全力を尽くす」と述べた。

都内で開いた記者会見で、亀岡社長は「この3年間でしっかりウオーミングアップ、助走をすませた」と述べ、統合に先立って取り組んでいる出光興産との協業での成果を強調した。当初、21年度に年間500億円としていた統合効果を600億円に引き上げた。

統合後の新会社が持つ国内7製油所について木藤社長は「これらを統廃合する検討の必要はない」と述べた。

出光興産は現在、昭和シェルの株式を31.25%保有する。株式交換で他の株主から発行済み株式の全てを取得する。出光興産の15日の終値で計算した取得総額は約6200億円。

昭和シェルの大株主にはサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコがいる。記者会見で中東情勢について聞かれた木藤社長は、「サウジは中東のなかで大きなポテンシャルをもったサプライヤー」と述べ、統合後も同社との関係強化に取り組む姿勢を示した。

*写真を追加して再送します。

(浦中大我※)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中