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イタリアの債務拡大計画、EUは対立自重 一部にユーロ離脱観測も
[ブリュッセル 28日 ロイター] - イタリアが財政赤字を拡大する計画を公表したことについて、欧州連合(EU)は28日、対立姿勢を控えた。ただ、イタリアが方向性を改めなければ、一段と強い姿勢で臨む可能性もある。
イタリアは向こう3年間、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%に安定させる目標を掲げた。これにより、債務圧縮が進まない可能性がある。
EU執行機関、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は「欧州委とイタリアの危機に関心がない」と述べ、慎重な姿勢を示した。
イタリアが危機に見舞われれば、域内全体が不安定化し、方針転換を同国に求める他の加盟国の失望を誘う恐れもある。
イタリア政府がこうした圧力を無視する可能性はあっても、市場がそうする保証はない。
イタリアが強硬姿勢を維持すれば、EU首脳会議で問題を協議する可能性を当局者らは指摘する。議題となるだけで市場に影響が及ぶとみられる。
仮に市場圧力が弱まれば、他のEU加盟国の影響力はほとんどなくなる。ただイタリア国債利回りが持続不能な水準に上昇し続け、国内銀行株が一段と急落すれば、同国やユーロ圏全体を救済するEUの計画が必要になる可能性もある。
ただその場合でも、支援要請はイタリア次第となる。
EU当局者の1人は「ギリシャがしたようにイタリアが折れる公算は非常に小さい」と指摘、EU内では一部にイタリアのユーロ圏離脱観測も浮上していると明かした。