ニュース速報

ビジネス

中国不動産投資、5月は伸び鈍化 販売加速で市場は底堅さ維持

2018年06月14日(木)13時39分

 6月14日、中国国家統計局の発表に基づくロイターの算出によると、5月単月の中国不動産投資は伸びが鈍化しながらも高水準にとどまった。写真は住宅の建設現場の様子。山東省の青州市で5月撮影(2018年 ロイター)

[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局の発表に基づくロイターの算出によると、5月単月の中国不動産投資は伸びが鈍化しながらも高水準にとどまった。また、不動産販売は約1年ぶりの大幅な伸びになるなど、市場は底堅さを保っている。

不動産市場は中国経済の主要な成長エンジンの1つだが、購入抑制策の強化や借り入れコストの上昇を背景に見通しについては懸念がある。

5月単月の不動産投資は前年同月比9.8%増と、4月の10.2%増から鈍化した。統計局が発表した1―5月の不動産投資は前年同期比10.2%増となった。

デベロッパーの信頼感を示す新築着工(床面積ベース)は5月単月では前年比20.5%増と、4月の2.9%から急加速。1─5月の新築着工は10.8%増加した。1─4月は7.3%増だった。

5月の不動産販売(床面積ベース)は8%増と、2017年6月以来の大幅な伸びを記録した。4月の4.1%減から増加に転じた。比較的小規模な都市で販売面積が増えた。

1─5月の不動産販売は2.9%増で、1─4月の1.3%増から伸びが加速した。

商業用不動産サービス会社、JLLチャイナの調査部門責任者、ジョー・チョウ氏は「不動産販売の急増は、開発業者の資金調達圧力が強まっていることが主な要因かもしれない。新規販売に関する価格の上限があるにもかかわらず、資金を得るために発売を急いでいるようだ」とした。

一方、不動産投資の伸び鈍化は建設活動の減速を反映した。ただ、規模が小さめの都市で需要が高まるなか、開発業者による土地取得や販売の勢いは衰えていない。

碧桂園(カントリー・ガーデン)<2007.HK>や中国恒大集団<3333.HK>といった開発大手は1─5月期に堅調な販売実績を公表している。一方、深センなど複数の都市は5月に住宅価格抑制に向けた新たな措置を打ち出した。

JLLチャイナのチョウ氏は「長期的には、開発業者はそれほど楽観的ではなく、投資と販売は借り入れ条件の厳格化を背景に減速するだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

次期FRB議長の条件は即座の利下げ支持=トランプ大

ビジネス

食品価格上昇や円安、インフレ期待への影響を注視=日

ビジネス

グーグル、EUが独禁法調査へ AI学習のコンテンツ

ワールド

トランプ氏支持率41%に上昇、共和党員が生活費対応
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中