ニュース速報

ビジネス

VIX指数に不正操作の疑い、米当局が調査開始

2018年02月14日(水)10時15分

 2月12日、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)の問題を利用して市場操作が行われたと告発する書簡が米金融当局に提出された。写真はニューヨーク証券取引所。1月撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)算出の仕組みを利用して市場操作が行われたと告発する書簡が米金融当局に提出された。関係筋によると、これを受けて金融取引業規制機構(FINRA)が調査に乗り出した。

書簡は、ワシントンに拠点を構える法律事務所が、投資ビジネスの上級職の経験がある匿名の人物の代理として12日、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CTFC)に提出した。この法律事務所は書簡に加え、正式な申し立ても行った。

関係筋によると、不正操作の指摘を受けて、VIX指数<.VIX>を算出するCBOEグローバル・マーケッツはFINRAに調査を依頼した。

CBOEの規制担当責任者はロイターに対し、「CBOEにはFINRAと協力して証券市場の特定の取引を監視する規制部門があり、監視対象にはVIX清算値に影響を及ぼし得る取引も含まれる」と説明した。

VIXはS&P500のオプション価格から、予想される短期のボラティリティーを算出する。CBOEが毎月算出する清算値によって、VIX先物で利益が出るかどうかが決まる。

書簡では、高度なアルゴリズムを持つトレーディング・ファームは、実際に取引を行ったり資本を活用したりすることなくS&Pのオプションにクオートを提示するだけでVIXを操作することが可能だと指摘している。

CBOEの広報担当者は書簡について「VIX指数とVIX先物、ボラティリティーETPの関係を含め、不正確な指摘や誤解、事実誤認が多い」と指摘した。

また、CBOEのバイスプレジデント兼リサーチ部門責任者、ウィリアム・スペス氏は「VIX清算値の算出プロセスには、書簡で指摘されているような不正操作を防ぐための構造的なセーフガードが組み込まれている」とし、「当社の規制部門はVIX清算値の操作が行われていないか能動的に監視している」と述べた。

SECとCFTCはコメントを控えている。

S&P総合500種<.SPX>とダウ工業株30種<.DJI>は先週それぞれ、2011年8月以来の大幅な下落率を記録。相場変動を想定していなかった投資家にとり痛手となった。

VIXに連動する上場取引型金融商品(ETP)の投資家は打撃を受け、クレディ・スイスとノムラ<9716.T>は、株価の変動が小さい局面で利益が得られる上場投資証券(ETN)の販売を中止すると明らかにした。

書簡は「VIXに連動したETPの清算は、こうした商品の組成上の問題だけが原因ではなく、むしろ、VIX指数の操作が主な要因だ」と指摘している。

ボラティリティーに的を絞った投資アドバイザー、インベスト・イン・ボルの運用担当者、スチュアート・ジョン・バートン氏は「指数の水準が操作される可能性があるということは以前から知られていた」とした上で、そうした操作による投資家の損失は、書簡で指摘されている年間約20億ドルを大幅に下回るだろうと述べた。

また、書簡で指摘されているような操作が、前週のVIX先物急上昇を引き起こした可能性は低いとの見方を示した。

*内容を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ首相、3月初旬にインド訪問か 貿易多様化を推

ワールド

EU、ロシア産ガス輸入停止を承認 ハンガリーは提訴

ビジネス

ホンダ、中国の四輪工場19日の週から再開 半導体不

ワールド

南アランド、22年以来の高値 一時1ドル=16ラン
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中