ニュース速報

台風19号、関東で強い風雨 2人死亡

2019年10月12日(土)21時46分

[東京 12日 ロイター] - 台風19号は12日午後9時過ぎ、強風を伴い、東京都などで雨足を強めている。気象庁は最大レベルの警戒を呼びかける大雨特別警報を1都11県に発表。突風などで2人が死亡、各地の河川で水位が上昇した。台風はこのあと関東北部を通り、13日未明には東北沖の太平洋に抜ける見通し。

気象庁によると、台風は午後7時前、強い雨と風を伴い伊豆半島に上陸した。国土交通省によると、埼玉県東松山市の都機川が氾濫。NHKによると、長野県上田市の千曲川も氾濫した。都内の多摩川や神田川を含め、各地の河川も氾濫危険水位に達している。国土交通省がホームページで提供する川の水位情報は、アクセスが集中して不具合が発生した。

気象庁は午後9時に会見し、「これまでに経験したことがないような大雨になっている。土砂災害警戒区域、浸水想定区域では何らかの災害がすでに発生している可能性がきわめて高い」とした。

消防庁が午後6時にまとめた集計によると、台風に関連した死者は1人。千葉県市原市で竜巻とみられる突風で車が横転し、50代の男性が死亡した。静岡県御殿場市で1人が行方不明のほか、各地で33人が重軽傷を負った。また、NHKは群馬県富岡市で裏山が崩れ、1人が死亡、2人が行方不明になっていると伝えている。

半壊や床下浸水など、住宅の被害は34棟。経済産業省によると、全国で約6万4000戸が停電している。

神奈川県は午後9時半、水位上昇に伴い、相模原市にある城山ダムで緊急放流を開始したと発表。国土交通省関東地方整備局によると、群馬県みどり市の草木ダム、栃木県日光市の川治ダムと川俣ダム、埼玉県神川町の下久保ダムも緊急放流を実施する可能性がある。下流地域では浸水への警戒が呼びかけられている。

気象庁は午後3時半、数十年に一度の大雨が予想されるとして、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、静岡県に大雨特別警報を発表。その後に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県に警報を拡大した、5つある警戒レベルの最も高い段階に相当する。

気象庁は1958年に神奈川県に上陸し、伊豆半島と関東地方で土砂災害と河川の氾濫が多発した狩野川台風に匹敵する大雨になる恐れがあるとして警戒を呼びかけている。

台風はこのあと北北東に進み、関東を通過する見込み。午後8時45分現在、中心の気圧は960ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は秒速40メートル、瞬間最大風速は同55メートルに達する。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

レゾナック、1―9月期純利益は90%減 通期見通し

ビジネス

三越伊勢丹HD、通期純利益予想を上方修正 過去最高

ビジネス

日経平均は続伸、景気敏感株上昇 TOPIXは最高値

ワールド

米公民権運動指導者ジャクソン師、進行性核上性麻痺で
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中