ニュース速報

豪企業の総営業利益、第1四半期は前期比1.7%増 GDP上振れも

2019年06月03日(月)15時54分

[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局(ABS)が3日発表した第1・四半期の企業の総営業利益は前期比1.7%増となった。鉄鉱石価格の急騰が利益に寄与した。賃金と在庫も増加しており、減速傾向にある景気を押し上げた可能性がある。

企業在庫は0.7%増と、市場の横ばい予想に反して増えた。企業が支払った賃金・給与の総額は1.1%増と、同期の雇用の2倍近く伸びた。

シティのエコノミスト、ジョシュ・ウィリアムソン氏は「全てを考慮して、国内総生産(GDP)成長率の予想を0.4%から0.6%に引き上げた」と述べた。

第1・四半期GDP統計は5日に発表が予定されている。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)はGDPの上振れを歓迎するとみられるが、それでもなお、4日の理事会では需要をてこ入れするため、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.25%に引き下げるとみられる。

ロイター調査によると、第1・四半期GDP成長率は前期比0.4%となったもよう。前年比は1.7%と、金融危機以降で最低に沈んだとみられる。

ウィリアムソン氏は「第1・四半期GDPが上振れすれば、中銀の第2・四半期GDP成長率予想の(前年比)1.75%が射程圏内にとどまることになる。そうすれば(年内)50ベーシスポイント超の利下げという市場予想が後退するかもしれない」とした。

ナショナルオーストラリア銀行(NAB)のエコノミストもこの日の統計を踏まえ、GDP成長率が同行の予想である0.4%から上振れする可能性があるとみている。

ただ、楽観論ばかりではない。企業利益の伸びは予想を下回っており、内訳をみると鉱業部門が全面的に主導し、非鉱業部門の利益(金融除く)は0.2%の伸びにとどまった。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は「在庫増と予想を下回る売上高は経済を見通すうえで良い組み合わせではない」と指摘。これらの数字は、同行のGDP成長率予想である前期比0.6%に多少の下振れリスクがあることを示していると分析した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、5万円回復 AI株高が押

ワールド

韓国大統領府、再び青瓦台に 週内に移転完了

ビジネス

仏が次世代空母建造へ、シャルル・ドゴール後継 38
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中