ニュース速報

米PCE価格指数、4月0.3%上昇 15カ月ぶりの大幅伸び

2019年06月01日(土)02時46分

[31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇と、2018年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなった。最近の物価の弱含みが一時的とする米連邦準備理事会(FRB)の主張を下支えし、当面の金利据え置きにつながる可能性がある。

3月は0.2%上昇していた。4月の前年同月比は1.5%上昇と、3月の1.4%上昇から加速した。

ただ、4月は物価が加速する中でも個人消費が鈍化し、今後の物価の伸びが限定的になることを示唆した。

これまでの物価の弱含みと景気減速を受け、トランプ米大統領などはFRBに利下げを求めるようになったが、パウエルFRB議長は軟調な指標について「一時的な現象かもしれない」との姿勢を維持してきた。今月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは金利を据え置き、近いうちに金融政策を調整する意向があまりないことを示唆した。[nL3N22D2KT]

変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア指数は前月比0.2%上昇した。3月は0.1%上昇だった。4月の前年同月比は1.6%上昇。前月は1.5%上昇していた。

PCEコア指数の前年同月比は、FRBが物価の目安として注目する。

米経済の3分の2以上を占める個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.3%増にとどまった。消費者は自動車などの耐久財の購入を控えた。電気・ガスなどを含むサービスの個人消費も鈍化した。市場予想は0.2%増だった。

3月の個人消費支出は当初発表した0.9%増から1.1%増へ上方改定され、09年8月以来の大幅な伸びとなった。

4月のインフレ調整後の実質消費支出は前月から横ばいだった。前月は0.9%増加していた。4月は鉱工業生産や耐久財受注、住宅販売の統計も軟調で、実質消費支出と合わさって景気が第2・四半期に鈍化したことを示唆する。

個人消費は第1・四半期に年率で1.3%増と、1年ぶりの弱い伸びだったが、輸出や在庫、防衛関連費が寄与し国内総生産(GDP)は年率3.1%増となった。第2・四半期のGDP予想は2.0%増を下回っている。

ただ、好調な労働市場が依然として個人消費を下支えしている。失業率は50年近くぶりの低水準で、賃金を徐々に押し上げている。

4月の個人所得は0.5%増と、3月の0.1%増から加速した。賃金は4月に0.3%増。貯蓄は9903億ドルと、前月の9637億ドルから増加した。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ同盟国がマドゥロ氏支持表明、米の石油タン

ワールド

ノーベル委、平和賞受賞のモハンマディ氏逮捕を非難 

ビジネス

英の暗号資産規制、27年10月から開始 財務省発表

ビジネス

欧州委、内燃エンジン車販売禁止撤回提案へ 独メーカ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中