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コーエン被告、宗教指導者の醜聞もみ消し加担か 16年大統領選
[ワシントン 7日 ロイター] - 2016年の米大統領選でトランプ候補の支持を表明し周囲を驚かせたキリスト教福音派の著名指導者、ジェリー・ファルエル・ジュニア氏が、トランプ支持を打ち出す前にトランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告に対してきわどい写真の処理という「個人的な問題」の解決を依頼し、コーエン氏が醜聞のもみ消しに加担ていた疑いが浮上した。ロイターがコーエン被告の会話の録音を入手した。
ファルエル氏は、米バージニア州にあるキリスト教系リバティ大学の学長で、トランプ大統領の支持基盤であるキリスト教福音派の著名な指導者。
録音データによると、ファルエル氏は、本来は夫婦間に秘めておくべき「きわどく個人的な写真」を何者かが所有していると相談していた。
コーエン被告に近い筋によると、ファルエル氏はトランプ氏が大統領選への立候補を表明した2015年にコーエン被告に協力を要請。コーエン被告は当時、トランプ氏の個人弁護士であり、トランプ・オーガナイゼーションと契約関係にあった。
ファルエル氏の弁護士は、この記事についてのコメントを拒否した。コーエン被告は、偽証罪で禁錮3年の実刑を言い渡され服役中。
ファルエル氏の個人的問題へのコーエン氏の関与は、コメディアンのトム・アーノルド氏がひそかに録音したコーエン被告との会話記録で明らかになった。コーエン被告はアーノルド氏に対し、「(ファルエル氏は)大量の個人的写真が公表されるのを避けたかった。そのうちの1枚を持っているが、ひどい内容だ」と話したという。
ロイターの取材では、写真の件とファルエル氏のトランプ氏支持が関連していると裏付ける証拠は見つかっていない。コーエン被告に近い筋は、2つはそれぞれ別の案件だとしている。
コーエン被告とファルエル氏の関係は、米国で最も影響力のあるキリスト教福音派の指導者の1人であるファルエル氏とトランプ氏の良好な関係にもつながった。ファルエル氏が支持を表明したことで、トランプ氏の過去の言動に懸念を抱いていたキリスト教徒がトランプ氏への見方を変えた。
ファルエル氏がトランプ氏支持を表明すると、リバティ大の学生や教員は驚愕(きょうがく)した。トランプ氏は3回結婚し、性的経験を自慢、中絶などを支持するなど、ファルエル氏の主張と真っ向から対立していたため。
ファルエル氏は取材には対応しなかったが、トランプ氏支持の理由について、最も強力な候補者で豊富なビジネス経験を持ち、米国の将来について正しいビジョンを持っているからだとたびたび強調していた。