※この記事は後編です。前編「トランプ時代のアメリカが本当に失ったもの──建国理念ではなく「3つの規範」が崩れている」はリンクからご覧ください。

アメリカ政治の歴史を通じて、一般に専門家は高い敬意を払うべき公人だった。それが変わり始めたのはベトナム戦争の時代だ。いわゆる専門家たちは脱植民地闘争を超大国間の冷戦の一環と見誤り、アメリカを泥沼の惨事に陥れた。

1968年のテト攻勢は、指導者が組織的に嘘をついていたことを国民に示した。アメリカで最も信頼されるジャーナリストだったウォルター・クロンカイトは同年2月、現地からの報告で戦争に対する世論の流れを変える決定的な役割を果たした。

「わが国は膠着状態にはまり込んでいる──それが唯一現実的な、しかし満足のいかない結論に思える。軍事・政治アナリストが正しいという万一の可能性に備え、今後数カ月で敵の意図を試さなければならない。これが交渉前の最後の大きなあがきである場合に備えて。しかし、記者の目にはますます明らかになっている。合理的な出口は交渉しかないと。勝者としてではなく、民主主義を守るという誓いを果たし、最善を尽くした名誉ある国民として」

リンドン・ジョンソン大統領は「クロンカイトを失ったら、アメリカ中間層を失ったことになる」と語ったとされる。クロンカイトに対する人々の敬意はそれほど大きかった。

今日のアメリカでは、誰もが「専門家」であり、同時に誰も専門家ではない。ユーチューバーやインフルエンサーは、自分が理解していない問題について無意味な動画を投稿し、多数の「いいね」を獲得している。不適格なおべっか使いや政治屋が、重要官庁のトップに座っている。

政府は研究者に研究する内容を、教師には教える中身を指図する。「専門家を信じるのをやめろ」と、著名な反ワクチン陰謀論者のロバート・ケネディJr.(保健福祉長官でもある)は訴え、政府も、そして驚くほど多くの国民がその言葉に従ってきた。

その結果、何人が早死にすることになるのか。無知といかさま医療は、生命、自由、幸福の追求の対極にある。

大衆迎合的で白人至上主義的かつ排外主義的な揺れ戻し
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