そして、シェア自動車にEVを使うようにすれば、シェア自動車の普及とともにEVシフトも進むことになる。もちろん、そのためにはEVを駐車するスペースにコンセントを用意し、クルマをプラグにつないだら返却が完了するようにするといった工夫が必要となる。
「EVシフト+シェア自動車」の衝撃
今までのクルマの私有を前提としたまま、ガソリンエンジン自動車をEVに切り替えようとしても、充電時間がネックとなって、なかなか進展しないだろう。しかし、私のような利用度の低いクルマ保有者がクルマの私有をやめ、シェア自動車でEVを利用するようになれば、EVシフトが一挙に進み、充電に時間がかかるというEVの欠点もカバーされる。
もちろんクルマの私有をやめることによって失うものもいろいろある。クルマで個性を表現することができなくなるし、みんな私有のクルマほどにはシェア自動車を大事にしないだろう。実際、北京で何台かシェア自動車をみたが、汚れや細かい傷がいっぱいついていた。Gofun出行ではシェア自動車の利用前と利用後にクルマの写真を三枚ずつ撮ることを義務付けることで利用者にクルマを大事に使うよう促している。

EVシフトとシェア自動車の広まりは自動車産業に計り知れないインパクトを与える。これまでのクルマ私有生活では、一台のクルマを長く使い続けるので、クルマの耐久性およびメーカーによるアフターサービス態勢がしっかりしていることが購入を決めるうえでの大事な要素だった。ところが、シェア自動車においてはクルマのメンテナンスはその運営会社の責任となるので、ユーザーは車の耐久性とかアフターサービスなどは気にしなくてもよくなる。利用者はどのシェア自動車運営会社が自分のニーズに合ったスペックのクルマを用意し、クルマを良い状態に保っているかだけを見るようになり、そのクルマがどこのメーカーの作った何という車種かは気にしなくなる。
したがって、シェア自動車が私有自動車より優勢になったあかつきには、自動車メーカーは産業の主役の地位から滑り落ちることになる。自動車メーカーは消費者向けにコマーシャルを流すよりも、シェア自動車運営会社に売り込むことのほうに力点を置くようになる。