経営学の父とされるピーター・ドラッカーは、実践志向が強く、アカデミズムの世界では異端扱いされていた。ドラッカーは、切実な問題に対する現実的な解決策を生み出せない理論には意味がないと考えていた。
経営者が問題を解決したいときは、ドラッカーならどうするかを考え、それを行動に移せばいい。だがドラッカーは膨大な量の著作を遺したため、その考えを参照しようにも、どこから手をつければいいか迷ってしまうと、クレアモント大学院大学ドラッカー研究所所長のリック・ワルツマンは本書の序文に書いている。
そこでコーエンは、遺された膨大な著作から、最も重要な40のテーマを抽出・整理し、ドラッカーの教えを現実のビジネスに適用するための具体的な方策を示した。それが本書だ。「コーエンは......『なにを』すべきかではなく『どのように』おこなうべきかに関する主張を巧みに整理して示してくれた。『プラクティカル・ドラッカー』は、屋上屋を重ねるような無意味なものではなく、読む人に新たな発見を与えてくれる著書に仕上がっている」と、ワルツマンは評している。
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ここでは、本書の「英知を行動にかえる40項」の中から「ドラッカーが遺した最も価値ある教え」を抜粋し、前後半に分けて掲載する。
『プラクティカル・ドラッカー
――英知を行動にかえる40項』
ウィリアム・A・コーエン 著
池村千秋 訳
CCCメディアハウス
だから、そのような問いに答えるのはほぼ不可能だと、私は思っていた。そこで、こう答えていた――「状況によりますね」。どういう問題を解決したいかによるというわけだ。あらゆる状況で最高の教訓をひとつだけ紹介することは避けていた。ほかの数々の教えよりも圧倒的に優れた教訓をひとつに絞ることはできなかったのだ。
しかし最近、もう少しマシな回答ができるのではないかと思うようになった。そこで、さまざまな問題に関するドラッカーの教えを再検討してみた。ドラッカーの予測に共通する要素はないか? いくつかの助言に一貫した教訓を見いだせないか? 本当に「最も価値ある教え」と呼ぶに値する原則はないか?