<さまざまなテクニックやテクノロジーを巧みに組み合わせながらも、その匂いはほとんどしない――。アンリ・カルティエ=ブレッソンやウィリアム・クラインらを尊敬しつつも、典型的なフォトジャーナリストとして働いてきたリチャード・コッチ・ヘルナンデスが辿りついた境地>

 今回紹介する写真家は、リチャード・コッチ・ヘルナンデス。ヴィジュアルアーティストであり、カリフォルニア大学バークレー校でニューメディア・ジャーナリズムを教える准教授でもある。インスタグラムを中心とした写真・ヴィデオ界では、彼のミドルネームであり、インスタグラムのユーザーネームでもあるコッチとして知られている。

 コッチの作品には、なぜかアインシュタインのイメージがつきまとう。物理学者と写真家、まったく異なるように思えるが、2人とも感覚的エクスシーを極限まで追い求める人物だ。アインシュタインは、光と追いかけっこをした夢を見て、その視覚的感覚を追求した結果、相対性理論を生み出した。それまでの理論構築や実証実験は、それがどれだけ偉大なものであっても単なる過程だ。

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 それに対し、コッチは物理学の理論の代わりに、さまざまな写真アプリやテクニック、デジダル技術だけでなく、時には回帰的にフィルム時代のそれも取り入れながら作品を創り出している。光と影、構図、幾何学性、しばしば使われるダブルエクスポージャー、あるいはモンタージュ......そうしたものが、誇張されながら巧みに組み合わされている。

 だが、テクニックの匂いはほとんどしない。伝わってくるのは、写真を超えた何か。時に都会的で孤独で、研ぎ澄まされているのに重く、同時に飛び散ってしまいそうな感情の動き――彼の言葉を借りればコッチ自身の内面的な動き――である。また、ユーモアを見せてくれる場合もある。

"From there to here, and here to there, funny things are everywhere." -dr Suess #grammasters3 #tiny_collective

Richard Koci Hernandezさん(@koci)が投稿した写真 -

キャプション欄に著名人の引用