[ 21日 ロイター] - <為替> ポンドとユーロが対ドルで下落。最新の英世論調査で欧州連合(EU)残留支持派のリードが縮小したことが材料視された。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が21日の欧州議会で行った証言も、ユーロやポンドの売りにつながった。総裁は、英国で23日に実施されるEU離脱の是非を問う国民投票が市場の不透明感を助長しており、必要ならあらゆる手段を行使する用意があると述べた。
FXアナリティクスのパートナー、デービッド・ギルモア氏は、多くの投資家がこの総裁発言を誤って解釈したため、市場に動揺が広がったと指摘。
「今後毎月の資産買い入れが増額されるか、マイナス金利がさらに拡大する、あるいはその両方の措置が講じられると市場は受け止めた。これはドラギ氏の言った趣旨とは違うのだが、発言を受けて実際にはドル買い/ユーロ売りが起きた」という。
これまでブレグジット(英国のEU離脱)懸念を背景に安全通貨として買われてきた円には利益確定売りが広がり、この日のドルは対円での上昇率が主要通貨の中で最も大きくなった。
<債券> 米5年債入札が低調に終わったことで利回りが1週間半ぶりの水準に上昇した。
市場では引き続き、2日後に迫った英国のEU離脱の是非を問う国民投票が最大の注目を集めている。
この日は最新の英世論調査で離脱派に対する残留派のリードが縮まったことが伝わると米国債利回りはいったん低下したものの、5年債入札が低調となったことを受け、上昇に転じた。入札では応札倍率が2.29倍と、2009年7月以来約7年ぶりの低水準となったほか、最高落札利回りが1.218%と、入札前取引(WI)の水準を1ベーシスポイント(bp)以上上回った。
イエレン米FRB議長はこの日に行った上院銀行委員会での証言で、海外リスクや米国内での雇用減速に伴い、利上げに向け慎重な対応が正当化されるとの認識を表明。市場に対する特に大きなサプライズはなかった。
<株式> 小幅高。イエレン米FRB議長がこの日の議会証言で景気に対し楽観的な見通しを示し、景気後退(リセッション)に対するリスクを退けたことを受け、ハイテク株を中心に買いが入った。
2日後に迫った英国民投票をめぐる懸念が後退していることも支援要因となっている。
イエレン議長は議会証言で、23日の英国民投票と米国の雇用改善ペースの鈍化が経済の見通しにとってリスクになっていると警戒感も示した。
ハイテク銘柄ではマイクロソフト<MSFT.O>が2.2%上昇し、S&P総合500種をけん引した。アップル<AAPL.O>も0.8%高で取引を終えた。
エネルギー株は原油安をこなして全般に上昇。S&P500種のエネルギー株指数<.SPNY>は1.1%高となった。
航空のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス<UAL.N>は業績改善計画を明らかにしたことが好感されて3.4%上昇した。
半面、医薬品のセルジーン<CELG.O>は2.4%下げた。
<金先物> 3営業日続落。8月物の清算値は6月8日以来、約2週間ぶりの安値となった。
英国のEU離脱の是非を問う国民投票を23日に控えて、一部世論調査で残留派がリー ドしていることが明らかになるなど、過度のEU離脱懸念が和らいだことから、安全資産 とされる金塊の需要は減退した。さらに、先週後半に約1年10カ月ぶりの高値を付けた ことによる利食い売りや、ドルの対ユーロ相場上昇に伴う割高感も加わり、金相場を圧迫 した。
イエレン米FRB議長は議会証言で、追加利上 げに対して慎重な姿勢を改めて示したものの、具体的なタイミングには言及しなかったため、金相場の反応は限定的だった。
<米原油先物> 英国の欧州連合(EU)離脱懸念がくすぶる中、利食い売りで3営業日ぶりに反落。
英国民投票については予断を許さない状況が続いている。このため、早朝の外国為替市場では リスク警戒感を背景としたドル買い・ユーロ売りが加速し、ドル建て商品の原油に割高感 が浮上。また、ナイジェリア政府と武装勢力による停戦合意に関する報も同国産原油の輸 出安定化につながるとして投資家心理を圧迫、相場は一時48.16ドルまで下げた。 ただその後、武装勢力側が1カ月間の停戦合意の受け入れを拒否したとの報を受けて下げ幅を縮小。21日夕と22日午前に発表される官民の週間在庫統計を見極めたいとの思惑も重なり、相場は48ドル台後半に戻した。