[シンガポール 14日 ロイター] - 外国人投資家がアジア新興国の債券を買い始めている。目先の米利上げ観測が後退し、アジアの魅力的な利回りがあらためて注目されている。

6月23日の国民投票で英国の欧州連合(EU)離脱が決まるのではないかとの警戒感を背景に、ソブリン債は一般に需要が盛り上がっているが、その流れがアジア新興国の債券にも波及している、という。

ここ2週間はリスク警戒感が一段と高まり、債券は世界的に買われた。アジア新興国では特に、予想される政策追加緩和を背景としたキャピタルゲイン期待や、相対的な利回りの高さが魅力となっている。

HSBCで新興市場金利調査部門を率いるアンドレ・デ・シルバ氏は「英国民投票を控えた不安感で最近、リスク回避ムードが広がるなか、新興国債券は底堅い。利回り重視の時代はなお健在」と述べた。

5月は、米連邦準備理事会(FRB)が夏にも利上げするとの見方を背景に一部のアジア新興国債券から資金が流出したが、5月米雇用統計が驚くほど低調だったため、目先の米利上げ予想はほぼなくなった。

ブレグジット(英EU離脱)懸念からリスク資産が世界的に敬遠されるなか、アジア新興国債券は6月、海外資金が流入超。中でも金融政策の緩和が見込まれる国の債券には資金流入が加速した。

<インドネシアと韓国の債券人気>

公式統計によると、インドネシア国債は6月最初の10日間に、外国人投資家の資金が16兆5000億ルピア(約12億ドル)の純流入となった。先月は、4兆2000億ルピアの資金純流出となっていた。

インドネシア中銀のマルトワルドヨ総裁は5月25日に記者団に対して、6月の政策会合で政策金利を引き下げる可能性を示唆している。

韓国の債券は6月最初の13日間に1兆1000億ウォン(約9億3870万ドル)の流入超。5月は8880億ウォンの流入超だった。

韓国の債券利回りは、アジア新興国のなかでは低いが、日本や一部の欧州諸国など大半の先進国と比べると大幅に高い水準となっている。

一方、国有投資会社「1マレーシア・デベロップメント(1MDB)」をめぐる懸念を背景に、マレーシア債券は5月、海外資金が流出超となった。タイの債券は5月は流入超だった。

(Jongwoo Cheon記者 翻訳:吉川彩 編集:佐々木美和)

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