パリやカリフォルニアのテロ攻撃で世界に不安な気持ちが高まっている中、オバマ大統領がめずらしく執務室から演説を行った。情熱があふれ、強さや決意を見せて、アメリカ国民と世界の皆さんに勇気と安心を与える名演説を......と期待していた。ところがふたを開けてみれば、結局は元気も熱意もカリスマ性も見せず、今までと変わらない路線を走り続ける方針を淡々と説明しただけの「迷演説」だった。
「もったいないなぁ」と、すごいストレスを感じながら、テレビで見ていた。僕はテレビを見てストレスを感じるのが一番嫌い。ストレスを感じたいんなら、ゴルフをやるよ。
オバマ大統領の冷静な説明のような演説は、場違いだった。あのタイミングのスピーチには情熱が必要。冷静な分析が求められているのはスピーチではなく、このニューズウィークのコラムだ。
ということで、ここでアメリカの中近東政策を冷静に取り上げて、ちょっとストレスを発散することにしよう!
アフガニスタン戦争で始まったアメリカの本格的な中近東への軍事介入から15年目に突入しても、中近東に平和は訪れていない。ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)は莫大なエリアを支配している。各地域で宗教対立、宗派対立、民族対立が続いているし、政府が機能していない国が依然多い。機能している国でも、独裁政権や軍事政権ばっかり。民主主義国家であるイスラエルでは、パレスチナ人が弾圧に反発して第三のインティファーダ(蜂起・反乱)が始まりそう。アラブの春の唯一の成功例といわれるチュニジアの団体がノーベル平和賞をとったが、その希望の光は周辺諸国を明るくしてはいないようだ。そういえば、オバマ大統領もノーベル平和賞を受賞したね。返して欲しいな~。
このように書いてきた僕だけど「オバマ外交は大失敗」と言おうとしているように思われそうだがそうではない。オバマ政権は、平和をもたらせることに成功していないと言っているだけ。失敗だとは言っていない。......まだ。
まずは歴史を振り返り、アメリカの今までの政策も合わせて見ていかないと、失敗か成功かを評価することはできない。アメリカの中近東政策は、文字通り試行錯誤の繰り返しだ。たとえば、軍事介入には大きく分けて3つのやり方がある。