[東京 26日 ロイター] - ユニバーサルエンターテインメント <6425.T>などがトムソン・ロイター<TRI.N><TRI.TO>に対し、報道により名誉が毀損されたなどとして合計2億円の損害賠償や記事の削除、謝罪広告などを求めていた裁判で、東京地方裁判所(民事第24部、阪本勝裁判長)は25日、ユニバーサルの訴えをすべて棄却する判決を下した。

判決文の中で阪本裁判長は「(ユニバーサルの)経営が法令及び定款に適合して行われているかどうかは公共の関心事」などと指摘。同社による外部への資金提供問題についてロイターが行った報道は公共の関心事であり、「専ら公益を図る」目的があったとして記事の正当性を認めた。

裁判長は、同社から多額の資金が流出したことについて米連邦捜査局(FBI)の捜査やその他の当局による調査などが行われていたとするロイターの記事は「真実であると信ずるについて相当の理由があった」と指摘。さらに「重要な部分について真実であることの証明があった」などとした。

ロイターによる記事の配信とウエブサイトへの掲載は「ユニバーサルの社会的評価を低下させないか、低下させるとしても違法性を欠く」ため、「名誉棄損による不法行為は成立せず、その余の争点について判断するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がない」とし、ユニバーサルによるすべての請求を棄却した。

ロイターは2012年11月、フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)のヘニュイーノ会長(当時)の側近だったコンサルタント、ロドルフォ・ソリアーノ氏の関連会社などに、ユニバーサルの関連会社から総額4000万ドルが流出していたと報じた。

資金が支払われた時期は、マニラ湾沿岸で計画していた巨大カジノをめぐって、ユニバーサルがフィリピン政府に外資規制の緩和などを要望していた時期と重なっていた。

報道を受けてユニバーサルと岡田ホールディングス合同会社は、トムソン・ロイターと記者、編集者に対して12年12月、合計で2億円の損害賠償などを求める請求を起こしていた。

今回の判決についてロイターの広報担当者は「公共の利益に資する正しいニュースを報道するというロイターの権利が認められた判決であり、喜ばしい。我々が配信した記事は公正かつ正確であり、人々が知る権利を持つ重要な問題に光を当てたものである」と述べた。

ロイターはユニバーサルに公式コメントを求めたが、現時点で同社からの返答は得られていない。

(江本恵美 編集:北松克朗)

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