[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)幹部が、政策金利を決める理事会が開催される直前に、民間銀行やヘッジファンドの人間と私的な会合を定期的に持っていたことが、ECBが開示した文書で分かった。この時期、理事会のメンバーは金融政策について語ってはならないことになっている。

ECB専任役員会を構成する総裁、副総裁、専務理事4人の計6人は、理事会を構成する25人の中でも中核的な存在とされる。彼らは昨年、BNPパリバやUBS、ブラックロック、ゴールドマン・サックスをはじめとする多くの金融業界の関係者や、ブリュッセルを本拠地とするシンクタンクのブリュッセル欧州世界経済研究所(Bruegel)の人間と面会していた。英紙フィナンシャル・タイムズが報じた開示文書にはそのことが記載されている。

クーレ専務理事は今年5月、ヘッジファンドの運用担当者らが出席する夕食会で講演し、ECBは流動性が低下する夏場を前に資産買い入れを前倒しして実施すると発言したことがある。内容は翌日まで公表されず、ユーロは急落。ECBは透明性を欠いていると厳しく批判された。

その後、ECBは透明性に関する規則を改定した。しかし、ドラギ総裁は欧州連合(EU)オンブズマンに宛てた最近の書簡で、業界関係者との会合は情報伝達政策上「必要」であり、金融政策の課題について認識を共有したり、議論したりする機会を提供するものだとしている。

ECB幹部の面会記録は、ヘッジファンドや銀行との交流がいかに幅広いものだったかを物語っている。

ドラギ総裁の側近とされるクーレ専務理事は、主要政策金利の引き下げを決めた理事会があった2014年9月4日にBNPパリバの人間と会っていた。

2015年8月までの1年間で、BNPパリバはECB幹部と会合を計12回持っていた。

ヘッジファンドのムーア・キャピタルは同じ時期に、ECB幹部との1対1の会合を7回開いていた。うち2回はドラギ総裁が相手だった。

その他のヘッジファンドでは、世界最大のブリッジウォーター・アソシエーツのほか、アパルーサ・マネジメントやアルジェブリス・インベストメンツがECB幹部に面会する機会を得ている。

中央銀行の金融政策はヘッジファンドをはじめとする投資家にとっては投資の枠組みを決める重要なものだ。ブリッジウォーターは金利などマクロ経済の傾向を読んで資金を投入している。

今回問題とされたECB幹部の行動は内部規則に違反するものではないが、世界の主要中央銀行の中には当局者が政策を決定する会合が開催される週には、利害関係者との接触を禁じているところもある。

欧州で最も権威あるお目付役とされるEUのオンブズマンは今年、ECB幹部の私的会合のあり方を問題視し、クーレ専務理事の発言公表が遅れた5月のようなことが起きないようにすることを求めた。

ECBは、5月の一件を受けて、講演原稿をメディアに対して解禁付きで事前配布することを取りやめた。講演や会合についての新たなガイドラインを公表し、幹部の面会記録を3カ月遅れで開示することに合意している。

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