[東京 15日 ロイター] - 武田薬品工業 <4502.T>は15日、2016年3月期(IFRS、国際会計基準)の連結営業損益が1050億円の黒字に転換する(15年3月期は1292億円の赤字)との見通しを発表した。

新製品や新興国での売上げが伸びる一方で、新製品発売経費やグローバル事業運営体制の再構築の費用増加などを見込む。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト14人の営業利益予測平均値は1880億円で、会社計画はこれを大きく下回っている。

営業損益が黒字に転換するのは、糖尿病治療薬「アクトス」訴訟の和解引当金がなくなることが大きい。研究開発費は3300億円の計画で、前年度の3821億円から減少する。

連結売上収益は同2.4%増の1兆8200億円を計画。米国で潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬の「エンティビオ」や国内で高血圧症治療薬「アジルバ」など新製品の売上げ伸長や新興国での売上げ拡大が寄与する。

同社が成長の目安としている為替や買収、和解引当金や減損損失などの一時的な要因を除いた実質的な売上収益は1桁台前半の伸び、コアアーニングスは売上収益より高い成長率、コアEPSはコア・アーニングスより高い成長率を目標に置いた。クリストフ・ウェバー社長兼CEOは会見で「成長期への転換期」と位置付けた。

年間配当は180円を維持する。ウェバーCEOは「2016年度以降も180円を最低でも維持する」との方針を示した。

<15年3月期、上場来初の最終赤字>

2015年3月期は、糖尿病治療薬「アクトス」の米国での訴訟における和解金や関連訴訟費用として27億ドル(3241億円)の引き当てを計上。連結営業損益は1292億円の赤字、親会社の所有者に帰属する当期損益は1457億円の赤字となった。当期損益の赤字は上場以来初めて。

一方、為替や買収、和解引当金や減損損失などの一時的な要因を除いた実質的な売上収益は2.8%増、コア・アーニングスは同2.1%減となった。ウェバーCEOは「実質的な売上収益とコア・アーニングスはコミットメントを達成できた」とし、満足な結果だと評価した。

「アクトス」訴訟の和解については「財務的な不確実性を将来にわたって排除できる」と語った。

(清水律子 編集:吉瀬邦彦)

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