[横浜市 14日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は13日、2016年3月期の連結営業利益が前期比14.5%増の6750億円になるとの見通しを発表した。調達コストの低減効果や北米・中国での販売好調が寄与する。
為替の影響で400億円減益要因になるが、原価低減などで1100億円、車種構成の改善を含む販売増加などで350億円それぞれ利益を押し上げる。
トムソン・ロイターの調査によると、今期の連結営業利益について、アナリスト29人の予測平均値は6900億円となっており、会社予想はこれを下回った。
同社は中期経営計画で2017年3月期に営業利益率8%、世界シェア8%を目標としている。営業利益率(中国合弁会社の比例連結ベース)は前期が5.8%、今期予想は6.3%。世界シェアは前期が6.2%、今期予想は6.5%となっている。カルロス・ゴーン社長は決算会見で、中期計画の目標達成に向けて「順調に進ちょくしている」との認識を示した。
今期の売上高は同6.4%増の12兆1000億円と過去最高更新を見込む。純利益予想は同6.0%増の4850億円。今期の想定為替レートは、1ドル=115円(前期は109.8円)、1ユーロ=130円(同138.7円)。
今期の配当予想は、年間で42円と前期の33円から9円増配し、配当性向は前期の30.2%から今期は36.3%に引き上げる。
<中国は堅調、16年に国内生産100万台回復>
今期の世界販売は同4.4%増の555万台を計画。このうち、日本は同3.7%減の60万台と減少するが、中国は同6.4%増の130万台、北米は5.0%増の192万台、欧州は4.6%増の79万台をそれぞれ見込む。主力の北米市場では利幅の大きいSUV(スポーツ型多目的車)「ローグ(日本名エクストレイル)」や「ムラーノ」などの販売が伸びる見通し。
中国市場について、ゴーン社長は「競争は厳しいが、乗用車市場は需要が拡大している」と述べ、日産の乗用車販売は1―4月に前年同期比20%増で、同市場全体の12―13%の伸びより大きかった点を強調した。中国市場を担当する関潤・専務執行役員は、同市場での年間販売について、目標としている130万台を「上回るペースで販売を続けたい」と語った。
ゴーン社長はまた、為替の影響を回避するには「開発や生産での現地化が唯一の手段」と指摘した。同社はすでに、北米向け「ローグ」の生産の一部を稼働率の低い国内工場に移管する方針を表明している。
国内生産台数は、14年3月期の100万台から15年3月期は87万7000台に減ったが、ゴーン社長は北米向け車種を「国内で生産する余地がある」とし、「16年には100万台に戻り、17年はそれ以上に増える可能性がある」との考えを示した。
<仏政府の議決権拡大は「ルノーの問題」>
一方、ゴーン社長は自らがトップを務めている日産の提携先、仏ルノー<RENA.PA>について、株主である仏政府の議決権が2倍に拡大することに関し、「これはルノーの問題。日産はルノーをサポートしている」とした上で、「センシティブなので、これ以上は話せない」と具体的な言及は避け、「ルノーの株主構成の問題であり、株主の問題と業務の問題は別と考えている」と述べるにとどめた。
(内容を追加しました)
(白木真紀 編集:吉瀬邦彦、北松克朗)