■ソニーグループの株価は今後どうなるか?

ソニーグループの成長戦略の核心は、保有する豊富なIPの価値を、事業の枠を超えて最大化する「IP360」戦略にあります。ゲーム、映画、音楽を横断してIPを展開し、長期的に収益を積み上げていく構想自体は、すでに市場でも共有されています。

ただ、株式市場が注目しているのは構想そのものではありません。投資家が見極めようとしているのは、IP戦略に伴う先行投資の増加が一巡し、そこから得られる収益が利益率やキャッシュフローの改善として、決算の数字に表れ始めているかどうか。

IPの価値が「物語」ではなく、収益性の改善として明確に示されるようになったとき、ソニーグループに対する評価の違和感は解消に向かう可能性があります。

そんな中、2月5日に発表された今期(2026年3月期)の第3四半期決算は上方修正となりました。利益率も改善しており、評価が変わる条件の一部が数字として見え始めた、と言えます。とはいえ、本格的な評価の見直しには、利益率やキャッシュフローの改善が継続するかどうかが問われるでしょう。

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[筆者]
岡田禎子(おかだ・さちこ)/個人投資家、ファイナンシャル・プランナー

証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの人に伝えられるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。note:https://note.com/okapirecipe_555

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