<候補者を知り、傾向を押さえ、前哨戦となる賞について調べる──10月に発表されるノーベル賞のうち、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の受賞者を予想する方法を、作家で科学ジャーナリストの茜灯里が伝授する>

秋は、権威や話題性のある科学賞の発表シーズンです。

世界最高峰の学術賞「ノーベル賞」も毎年10月に受賞者が決定し、創始者のアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日に受賞式が行われます。

今回は、ノーベル賞のうち、科学3賞(生理学・医学賞、物理学賞、化学賞)の日本人受賞者を自分で予想するための3つのコツを伝授します。

今年は予想や受賞のニュースを受け身で待つだけでなく、自分で予想を考え、当日答え合わせをすることで、科学研究の世界をより身近に感じてみませんか。

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この賞が世界で最も権威がある学術賞とされているのは、初回が1901年という長い歴史、1000万クローナ(約1億2000万円)の高額賞金、過去の受賞者や大学教授らから推薦された300名ほどの候補者が1年をかけて1〜3名に絞られる狭き門であることが理由です。

受賞時に存命であることが資格条件で、日本人(受賞時に外国籍の者を含む)はこれまでに、科学3賞で24名が受賞しています。

予想に役立つ指標1:2020年の予想記事で候補者を知る

2020年は、残念ながら日本人受賞者はいませんでした。ですが、ノーベル賞は、ある年に候補になって受賞できなければ二度とチャンスがなくなるわけではありません。

現代物理学の父とされるアインシュタインも、最初にノーベル賞候補になったのは1910年で、実際に受賞したのは1921年です。ちなみに、落選したノーベル賞候補者は50年間は情報公開されず、知ることはできません。

直近の3年間でも、有力候補としてマスコミに取り上げられた日本人研究者は、各賞で10名以上います。たとえば生理学・医学賞では、前田浩氏(熊本大学名誉教授)、松村保広氏(国立がん研究センター主幹研究員)、森和俊氏(京都大学教授)、満屋裕明氏(国立国際医療研究センター所長)、岸本忠三氏(大阪大学元学長)、平野俊夫氏(量子科学技術研究開発機構理事長)、坂口志文氏(大阪大学特任教授)、竹市雅俊氏(京都大学名誉教授)、審良静男氏(大阪大学特任教授)、遠藤章氏(東京農工大学特別栄誉教授)、柳町隆造氏(ハワイ大学名誉教授)、水島昇氏(東京大学教授)、御子柴克彦氏(東京大学名誉教授)らの名前が頻繁に挙がっています。

まずは、昨年の予想記事をウェブなどで読み比べて、評価の高い研究者と研究成果をチェックしてみましょう。

過去の受賞理由がヒントに
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