「民主党候補として州知事選に出馬したほうが当選の見込みは格段に大きいだろうが、それでは私自身が問題の一部になってしまう。州の政界ではこの20年間、共和党と民主党の間で争いが続いてきた。そうした既成の政治を終わらせなくてはならない」

民主党内には民主党候補の票が食われるとの懸念の声もあるが、ダガンはその見方を一蹴する。「私は(民主党と共和党を)もっと協力させるために出馬した。一部の民主党員が腹を立てているのは知っているが、多くの有権者は『自分はどちらかの政党を全面的に支持したことなど一度もない。ようやく自分の考えを代弁してくれる候補者が登場した』と思っている」

ダガンはデトロイトの経済を好転させたと胸を張るが、不安要素がないとは到底言えない。

特に大きな脅威の1つが関税問題だ。デトロイトには3つの自動車組立工場があり、そのサプライチェーンは近隣のカナダの都市ウィンザーと直接結び付いている。トランプ政権のカナダに対する関税引き上げを受けて、ミシガン州の輸送機器産業で3000人以上の雇用が失われる可能性がある。

「カナダに関税を課すのは、ミシガンで製造される自動車に関税を課すのと同じことだ」と、ダガンは言う。

とはいえ、市政の成果を測る指標としてダガンが最も重んじるのは市のアイデンティティーだ。その点、今のデトロイトはもはや「喪失」だけで語られる都市ではなくなっている。ダガンの言うように、「誇りは戻ってきた」のだ。

【動画】デトロイトを変えた市長の軌跡