「GMのメアリー・バラ、フォードのビル・フォード、クライスラーのセルジオ・マルキオンネに会い、次の工場をデトロイトに造るには何が必要かと尋ねた」と、ダガンは振り返る。「彼らが求めたのは用地と迅速な許認可、承認に余計な面倒がないこと、そして労働力。私たちはそれらを提供し、彼らは来てくれた」

やがて民間資金も流れ込んだ。デトロイト生まれの億万長者ダン・ギルバートはフィンテック企業ロケット・カンパニーズの本社を中心部に移し、ビルや店舗に数億ドルを投じた。

ピザチェーンのリトル・シーザーズを創業したイリッチ家は、手厚い公共補助金を活用しながらアリーナや複合不動産開発を進めた。昨年までに進行・完了したプロジェクトは160件以上、総額約90億ドルに上る。

監視カメラで治安が改善

14年に市長に就任したダガンは、4万7000戸以上あった空き家対策としてオークションサイトを開設し、古屋を改修して売却し始めた。「改修不可能な住宅は取り壊した」と、ダガンは言う。

この取り組みに逆風が全くなかったわけではない。15年には家屋の解体業者をめぐる汚職が発覚した。

事業の予算を確保するためにダガンが2億5000万ドルの市債発行計画を打ち出した際にも、批判は少なくなかった。しかし、有権者の70%以上が市債の発行を支持した。

空き家再生と犯罪減少