14年以降に改修されて新しい住人の手に渡った住居は1万5000戸以上。「市内のどの地区でも、不動産相場が2倍か3倍に上昇した」と、ダガンは言う。

中心部以外の状況は今も苦しいという指摘もある。しかし市当局によると、14年以降、デトロイトの住宅の資産価値は合計約46億ドル上昇した。しかも恩恵の8割近くを被ったのは、デトロイトを出ていかなかった黒人世帯だったという。

デトロイトではこの数十年間、停滞と政治的分断が続いてきた。白人が街を出ていき、税収基盤が空洞化した。残されたのは、人種間の対立や「中心部対郊外」の対立だった。そうした分断は、デトロイトを立て直す改革の妨げになった。

20年以降、「ディファンド・ザ・ポリス(警察予算の打ち切り)」を求める声が進歩派の間で強まったが、ダガンは逆の路線を推し進めた。

「私が当選した時点では、年間に約750件の自動車強盗が発生していた。1週間に約15回、市民が銃口を突き付けられて車を強奪されていた計算だ」と、ダガンは言う。「今ではそれが週に2件未満に減った」

市長就任後しばらくは年間300件前後だった殺人事件も、昨年は203件まで減少した。1965年以降で最も少ない件数だ。

監視カメラとトランプ関税