だが、実際には値段は上がった。またしても、作成者たちがイケア効果の影響を受けていることが確認された。より長い時間をかけて動物を折ったことが、自身の作品の値段をより高くつけることにつながったのだ。
自分たちの作品の出来がはなはだお粗末という事実は、彼らにとっては些細なことにすぎなかった。
私たちは、調査をここでは終わらせはしなかった。
私たちがさらに確認したかったのは、購入者に比べて作成者のほうが作品により一層愛着を抱いているという事実、つまりほかの人がこれらの作品を異なる視点から見ているという事実に、作成者本人たちが気づいているかどうかという点だった。
調べた結果、作成者たちは気づいていなかった。彼らは自分たちがつくったくしゃくしゃの紙の作品に、誰もが美を見いだすはずだと思っていたのだ。
これはまさに「自己中心性バイアス」だ。この認知バイアスの一種によって、幼い子どもたちは、自分が目を閉じればほかの人にも自分が見えていないと思い込む。
どうやら大人たちも、このバイアスの影響を同じくらい強く受けているようだ。
そこで、このたび発売された カスタマイズできることがいかに購買意欲を高めるかを理解するには、人間の心理の、より一層謎めいた部分に、一直線に飛び込んでいかなければならない。
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます
