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トランプが最も敬意を寄せる外国の指導者はプーチンかもしれない MIKHAIL KLIMENTYEVーSPUTNIKーKREMLINーREUTERS

プーチンは憲法を改正して大統領を最長2036年まで務められるようにし、歴史上の皇帝たちと肩を並べ始めた。

2期目のトランプはこの精神を見習うだろう。

彼が追い抜きたいのはバラク・オバマやジョー・バイデンではない。

ジョージ・ワシントンやエイブラハム・リンカーンのレガシーを超えることだ。

こうしたトランプの心理を踏まえた上で、彼が抱えている4件の刑事裁判という障害を乗り越え、景気後退期でもないのに現職大統領を破って歴史を覆した場合に、一体何が起こるのか。

各分野について現時点でベストと思われる予測を試みた。

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外交政策

まず何をおいてもトランプは、メキシコ国境からの不法移民流入に断固とした姿勢を示す。

1期目をイスラム教徒が多い特定の国からの入国を禁止することから始めたように、トランプは劇的な動きを見せるはずだ。

そうすることで、これが最優先事項であり、レガシーにつながる問題であることを示そうとする。

トランプはこの動きに軍を使うだろう。

彼がNATOやウクライナ戦争、第2次大戦後の安保体制全般から手を引くことを正当化するため口にする理由の1つは、軍の活動の中心を国土の防衛に再び据えることだ。

トランプは好意を抱く人物に全面的に懸ける。ウクライナ戦争の交渉による解決はプーチンに有利に働き、北朝鮮の金正恩総書記は統治の正統性と核保有の承認を勝ち取る。

日本はNATOに関するトランプの発言に注意すべきだ。

NATO加盟国が軍事費を相応に負担しないならプーチンに攻撃を促すと1期目に述べたことは、彼の思考回路に合致する。

自分(アメリカ)を「利用」しようとする勢力は何であれ、たたきつぶされるのがふさわしいのだ。

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2期目のトランプ政権で北朝鮮の金正恩は核保有の承認を勝ち取りそうだ JONATHAN ERNSTーREUTERS

中国がアジアで覇権主義的な行動を強めるなか、トランプは韓国と日本がアメリカの軍事力に頼りすぎていると間違いなく非難する。

彼は両国に軍事力の増強を求めるだろう。

しかしトランプは、すぐに心変わりをするタイプだ。

プーチンがトランプのことを嘲ったり、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が彼を称賛しているという記録を側近がリークし、見事に軌道修正を成し遂げることもあり得る。

トランプの反応を正確に予測するのが不可能なのと同じく、こうした驚きのシナリオが成り立ち得ることは、彼の1期目に世界がむしろ平穏だった理由の1つかもしれない。

ヨーロッパの危機感はさらに強まる
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