<「最後は万事うまくいく。うまくいってないならそれは最後ではない」という言葉に、強く心を動かされた...。『東大王』のレギュラーメンバーの河野ゆかりさんが、1年に1回は読み返して今の自分をチェックしたいという本について>

東京大学理科三類に現役合格と聞くと、いかにも一切の無駄がないルートで人生を歩んできたと思ってしまう。しかし東京大学医学部5年生で、現在TBS『東大王』のレギュラーメンバーとしても活動している河野ゆかりさんは、「目標に向かうルートはいくつもあっていいし、時には違うことをしてもいい」と考えているという。

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どうしてそう思うのか。河野さんに尋ねると、スタンフォード大学工学部教授のティナ・シーリグによる『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』(CCCメディアハウス)との出会いが、大きなものとなったと教えてくれた。

「書店で見かけてすごく気になってはいたんですけど、家に積ん読の本がまだいっぱいあったので、なかなか手に取るタイミングがなくて。今回読んでみたらすごく面白くて、1日中ずっと読みっぱなしでした。「でも23歳の私が読んでもやはり、タイトルにもあるように『20歳の時に知っておきたかった』と思いました。この本を早く手に取らなかったことで3年間損をしてしまったかな、と。」

医師になることは手段であり、目的ではない

何よりタイトルに目を奪われたものの、読み進めるうちに、そこにいくつもの気付きやハッとする言葉があったと河野さんは笑顔を見せた。

「たとえば「サンフランシスコから南極まで行く経路は何通りもあって、計画通りにいかなければ臨機応変に対応すればいい」っていう言葉にハッとして。私は医学部に通っていますが、目標は「医師になること」ではなく、病気で苦しむ人たちの役に立つことです。だから誰かの役に立つなら、医師という特性は保ちながらも、別の方法があるかもしれない。進むための道は一つじゃないんだってことに、この本を読んで気付かされました。医学生として生活していると、医師になることばかりに意識が向いてしまいがちです。それはもちろん大切なことですが、医師になるのはあくまで手段であって、目的ではないと思うんですよね」

神戸市内の高校に通っていたこともあり、両親は京都大学や大阪大学など、地元から遠くない進学先を勧めてきた。しかし河野さんは「行くなら東大」と決めていたという。一体何が、そんなに惹かれる理由だったのだろう?

「東大は1、2年生の教養課程の間は、他の学部の人と一緒に勉強できるのがいいなと思っていて。もちろん医学部に進もうと決めてはいましたが、高校生の自分は、視野が十分に広がっていない自覚もあったので、もしかしたらもっと他にやりたいことが出てくるかもしれない。そうなった時に転学できる東大はいいなと思ったんです。あと5年生になってから臨床実習が始まったのですが、東大は医大の中では難病の知見が日本で一番積み重なっていて、研究機関としても予算がたくさん割り当てられているところに惹かれました」

とはいえ「子どもの頃から東大一直線」だったわけではなく、中学3年生の時に出会った1本の映画が、その後を決めることになったと教えてくれた。

この本を知っているのと、未来が違ってくる
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