中国の艦艇が日常的にフィリピンの船舶を威嚇し、その自由な航行を妨げているようでは、どんな多国籍企業もフィリピンへのフレンドショアリングには二の足を踏むだろう。搬入・搬出をタイムリーに行えなければビジネスは成り立たないからだ。

言うまでもないが、中国の威嚇行為の標的はフィリピンだけではない。米欧企業によるフレンドショアリングの対象になりそうな東南アジアの国々なら、どこが狙われてもおかしくない。現に、ベトナムが自国のEEZ内で行っている石油・天然ガスの掘削現場に、中国は頻繁に自国の艦艇を出して威嚇している。

中国が南シナ海で威嚇行為を始めたのは領有権を主張するため。しかし、それが結果的には米欧企業にフレンドショアリングを思いとどまらせるのに役に立っている。しかも、威嚇をエスカレートさせても露骨な軍事行動にはならず、諸外国も手を出しにくい。

しかし本気でフレンドショアリングをやりたいなら、誰かが中国側の乱暴な振る舞いを止めなければならない。問題は、誰がやるかだ。

From Foreign Policy Magazine

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ウクライナ逆転大作戦
2026年7月28日号(7月22日発売)は「ウクライナ逆転大作戦」特集。

ドローンを駆使した石油施設攻撃でロシアに大打撃。クリミア半島を奪還すればプーチンは窮地に?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます