231212P50_BGR_04v2.jpg
ニューヨークの入隊申込所 CHRIS HONDROS/GETTY IMAGES

「雇用市場が、軍の大きな競争相手になっていることは認識している」と、国防総省のシュウェグマンは語る。

「現代の若者には幅広い選択肢がある」と、彼女は認める。

「国防総省は、軍が就職活動に関する話題に上るよう努めている。ほとんどの人にとって、軍務はやりがいがある有意義な選択肢だと思う」

性的少数者を使ったPRも

そんななか、今年は海軍と陸軍が新兵を集めるためのキャンペーンに性的少数者を起用して、大きな論争を巻き起こした。

海軍は5月に、ドラァグクイーンのハーピー・ダニエルズことジョシュア・ケリー2等兵を「デジタル大使」に起用した。

さらに陸軍は6月に、トランスジェンダーのレイチェル・ジョーンズ少佐にスポットライトを当てたキャンペーンを開始した。

どちらも新兵集めで「幅広い層にアピールする」ことが目的だったが、かえって伝統的な新兵候補を遠ざけることになると批判を浴びた。

だが、ユースティスはこうした広報活動のターゲットとなる世代は「あらゆるライフスタイルに対してオープン」であり、この種の文化論争によって入隊意欲が低下することはないだろうと語る。

それでも、「一部の親はこうした宣伝を嫌悪して、子供の入隊にいい顔をしないかもしれない」と付け加え、「入隊について親の賛同を得るのは、ただでさえ難しい」と言う。

「軍は支持しても、自分の子が兵士になるのは勘弁だと考える親は多い」

「その種のキャンペーンは軍全体の採用努力を傷つけている」と、ヘンダーソンも苦い顔をする。

ただ、軍の採用担当者らは、こうした騒動に耳を貸さずに、「成長意欲や学習意欲の高い優秀な若者を見つける」ことに意識を集中しているという。

従来型のメディアが描く軍のイメージも問題だと、ユースティスとヘンダーソンは指摘する。危険な仕事であり、退役後も長期にわたって精神的・肉体的に苦しむというイメージだ。

「実際には、ほとんどの退役軍人は非常に元気に暮らしており、仕事でも地域でもリーダー役を担っている」と、ユースティスは語る。

その一方で、毎日17人近くの退役軍人が自殺しているという統計を示して、精神を病んでいる退役軍人が多いのは事実だと指摘する声もある。

「ハリウッド映画も(リクルートの)助けにならない」と、ヘンダーソンは言う。

「一般の人が軍人と言われて思い浮かべるのはSEALs(米海軍特殊部隊)など大がかりな作戦の先頭に立つ兵士だろう。だが、それは全体の3%にすぎない。残りの97%はサポート役だ」

軍に適した健康な若者が減少している問題も
【関連記事】