米海軍の制服組トップであるマイク・ギルデー海軍作戦部長は昨年8月、インドは中国に2つ目の戦線を突き付けていると指摘した。「今や中国は、南シナ海や台湾海峡のある東部に意識を集中しつつ、肩越しにインドにも目を配らなければならなくなった」というのだ。

長い間、中国の安全保障にとって、アメリカとインドが同盟関係を結ぶことは悪夢と考えられていた。だが、インドのナレンドラ・モディ首相が和平を提案したとき、習は中印国境を破るという「返事」をすることで、米印同盟が誕生する可能性を高めた。たとえそれが非公式の同盟関係だとしても、その結果は中国にとって楽しい夢にはならないはずだ。

    

日本への影響

中国がヒマラヤ地方で進める領土拡張戦略が限定的な戦争を招けば、習が台湾や尖閣諸島に割けるリソースはそれだけ限られてくる。他方、中国はたとえ法的拘束力のある2国間協定や国際規範でも容易にそれを破り、現状を変えようとする。

日本がこの振る舞いから学ぶべきことは主に3つ。まず2国間関係を改善しても、中国がそれを尊重して領土拡張を控えたりしないこと。第2に、経済的な相互依存が深まっても、むしろそれを利用すること。第3に、守勢に回れば中国は一段と領有権を侵害する。日本は平和主義的で消極的な態度は捨て、中国に対抗していく必要があるだろう。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 戦争インフレ
2026年4月28号(4月21日発売)は「戦争インフレ」特集。

ホルムズ海峡封鎖でガソリン・日用品が高騰。世界経済への悪影響と「出口」を読み解く

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます