来年の大統領選でバイデンが再選され、議会でも民主党が勝利すれば、社会的包摂や穏健な政治、ルールに基づく国際主義を求める路線が続く。一方、暴動や戦争、災害などで大混乱が起きたり、現在80歳のバイデンが倒れたり、有権者が現職を罰したいと考えれば、怒れる白人ナショナリストと保守的な共和党が勝利する可能性がある。そうなれば人種や階級間の対立に再び焦点が当たり、少数派になった白人の白人至上主義が温存され、孤立主義が繰り返される。

長期的には、アメリカの民主主義はこうした試練を乗り越える可能性が高い。人口の多様化が進み、反民主的な白人層を圧倒するためだ。だが白人の地位低下への怒りと抵抗が強まってきた60年間を経て、アメリカの社会的結束と政治制度は消えない傷を負ってしまった。

日本への影響

アメリカには「中国に厳しい態度で臨む」とのコンセンサスがある。大統領選で共和党の指名獲得を狙うニッキー・ヘイリーは中国との「正常な貿易関係を終わらせる」と語り、軍事面ではトランプより強硬な姿勢で臨むとしている。

一方、民主党は「対決でよりも競争」路線を模索。貿易や環境での合意を目指しつつ、アジアでの軍事的プレゼンスと同盟関係の強化を続ける。日本は今後も軍事予算の増額やアジア安全保障への関与、自衛以上の活動を要求されるだろう。また両党とも重要な技術やサプライチェーンの保護をめぐり日米の戦略的合意を望む可能性が高い。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます