■メディアの変化

1964年にビートルズが初めてアメリカにやって来たとき、7300万人がテレビにかじりついて見たものだ。当時、アメリカのテレビ局は3大ネットワークしかなく、それぞれができるだけ幅広い視聴者にアピールするため、政治的には中道で、画一的で、穏健な番組が放送されていた。

だが、80年代に入ると、技術の進歩により消費者の選択肢は増えた。ケーブルテレビ局が次々誕生して、局によって政治的なカラーが明確になった。1996年に開局したFOXニュースは保守色が強く、白人中心主義的で、場合によっては白人至上主義的な切り口でニュースを報じてきた。2015年以降は、トランプ支持を前面に押し出した。

現代のアメリカ人は、何百ものケーブル局と、ほぼ無限のオンラインニュースから情報を得られるが、依然としてネットワーク局を見て自分のバイアスを確認する傾向がある。

視聴者のイデオロギーが細分化し、そんな視聴者を引き付けるためにネットワーク局のイデオロギー色が強くなると、政治的に中道を好む世論も衰えていった。アメリカ社会は、白人が支配していた時代から多様な時代へと変貌を遂げたが、それに伴い過激な言論が増えて、人々は自分にとって心地よい政治的・文化的領域に閉じ籠もるようになった。

3. 政治的再編
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