中国政府は政治権力の独占を擁護する理由の1つとして、経済を発展させ、市民の生活水準を向上させたと主張している。

しかし、中国の製造業の中心地で広がる出稼ぎ労働者の反乱は、特に新卒者や若者の労働市場が低迷していることと相まって、この主張に疑問を投げかける。

一連の労働問題が習近平(シー・チンピン)国家主席の権力維持に深刻な脅威を与えることはなさそうだ。それでも中国共産党が主導してきた長年にわたる近代化の成果が揺らげば、結果として彼らが主張する正当性が損なわれることを意味する。

歴史的に、学生の抗議行動や労働者の騒動は、共産主義体制内の政治的危機をたびたび引き起こしてきた。その最大の悲劇が1989年の天安門事件だった。

現場レベルで労働争議が続いていることについて、中国政府は国内のソーシャルメディアに掲載されないように対策を強化している。

地方当局にも圧力をかけるかもしれないが、自治体政府などが腕ずくでストライキをやめさせようとすれば、さらなる人権侵害につながりかねない。

共産党としては、2024年に世界経済が回復して、国内の製造業が賃金の引き下げや労働条件の低下を余儀なくされていた状況に終止符が打たれることを期待しているのかもしれない。ただし、中国の製造業や経済全体の成長は、今年後半も不透明のままだ。

IMFの予測によると、中国の成長率は23年の5.2%から24年には4.5%に低下し、25年から28年にかけても低迷が続きそうだ。これは、中国で賃金をめぐる労働争議が続き、中国人労働者にとって製造部門の魅力がさらに低下するという意味でもある。

利益の減少は、中国の経済モデルの見直しと労働者の社会的保護の改善を求める圧力を強めるだろう。

生活水準の向上に伴って若い世代の期待が高まり、ポスト・グローバル化の時代は成長が恒久的に鈍化することを考えると、より良い福祉制度を求める民衆の圧力が中国でも高まるかもしれない。

From thediplomat.com

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