今回の戦争に関して言うと、プーチンがFSBの諜報員をウクライナに送り込んで、世論調査めいたこともやっている。そのFSBのレポートをプーチンがものすごく信用するんだそうです。記者会見でも、メディアに流れている情報は全部ウソだ、私はFSBのレポートを読んでいるから、とプーチンは言うわけです。

やっぱり元KGB中佐としてFSBのレポートというものに、ものすごく信を置いているんでしょう。

けど、ずっとプーチンがやっているうちに、FSBがだんだんプーチンの喜ぶレポートばかり上げるようになってきた。今回のウクライナに関しても、ロシア軍が攻めていったら相当ウクライナ人から反発されるだろうとFSBは薄々気付いていたんだけど、楽観的な報告ばかりプーチンには流していたという話です。会社が駄目になっていくのとすごく似た感じがします。

※対談記事の抜粋第8回:ウクライナ戦争へのNATO参戦は...「あるとしたら空軍」 河東哲夫×小泉悠 に続く。


小泉 悠(軍事評論家)
東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。著書に『ウクライナ戦争』『「帝国」ロシアの地政学』など。

河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)
外交アナリスト。ロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン「文明の万華鏡」主宰。著書に『日本がウクライナになる日』『ロシアの興亡』『遙かなる大地』(筆名・熊野洋)など。

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