<元メジャーリーガーの藤川球児さんが、日本の高知でプロ野球選手を目指す若者、パラグアイの野球指導者と語り合った。なぜパラグアイで日本の野球なのか。国境を超えるスポーツの力とは何か>

日本の「地球の裏側」、南米・パラグアイからは土佐弁が聞こえてくる――? 実は、パラグアイをはじめとする南米には、戦後、国策で多くの日本人が移り住み、現在も200万人の日系人が暮らしています。特にパラグアイの日系1世には、意外なことに高知県出身者が多く、日系人コミュニティには高知の文化が根付いているそう。

そんなパラグアイと高知が結びつく座談会が開催されました。2022年12月初旬、高知県芸西村の座談会会場に現れたのは、高知県出身の元メジャーリーガー・藤川球児さん。そして、同年春にプロ野球選手を目指してパラグアイから来日し、藤川さんも所属していた四国独立リーグの「高知ファイティングドッグス」練習生となった二口卓矢さん。さらに、JICAと高知ファイティングドッグスが連携して実施する「野球指導者の人材育成」プログラム(注1)の研修員として来日した、パラグアイの野球指導者・古賀豊さんです。

「野球」という共通言語でつながった3人が、国境を越えるスポーツの力、パラグアイと日本の野球について語り合います。

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左から古賀豊さん、藤川球児さん、二口卓矢さん。座談会は、芸西村で開催された高知ファイティングドッグス主催の野球教室に合わせて行われた。野球教室には、古賀さんと二口さんもJICA研修の一環でサポートして参加

遠くパラグアイで受け継がれる、日本の野球

《南米ではサッカー人気が非常に高いですが、パラグアイの日系人コミュニティでは野球が盛んだそうです。藤川さん、ご存知でしたか?》

●藤川球児さん(以下、藤川さん):

ブラジルの話になりますが、高校選抜で1週間ほどブラジル遠征に行ったときに、現地で日系の選手がプレーしていて、野球は日系人の方々がまとまるための一つの文化なんだなと感じたことがありました。高校の先輩でもある元ヤクルト・岡林洋一さん(注2)はパラグアイ出身ですし、南米に移住された日系1世の方々がしっかりと伝えてくれたものが受け継がれていることを感じます。

●古賀豊さん(以下、古賀さん):

日系人コミュニティでは僕らの親世代から野球を楽しんできました。日系人が日本という国の文化を感じ、プレーを通じて心を一つにする場が野球なんです。

スポーツの力と、挑戦することの大切さ