トウモロコシと大豆の価格は過去10年間で最高値に上昇。マレーシアのパーム油の指標価格も3月に過去最高を記録した。

その後、世界的な景気後退への懸念や、中国の新型コロナウイルス感染拡大に伴う規制、ウクライナの穀物輸出を巡る黒海回廊の延長などを背景に、小麦の価格は侵攻前の水準まで下がり、パーム油も約40%の値下がりを見せている。

2023年の展望は

世界第2位の小麦輸出量を誇るオーストラリアでは、最近の洪水により収穫間際の作物が広範囲で被害を受けた。一方、アルゼンチンでは、干ばつによって小麦の生産量が4割近く減ると推測されている。

これらの影響から、2023年上半期に手に入る小麦は世界的に減少するとみられる。

米国の平野部では、雨不足で冬作物の評価が2012年以来の最低水準に落ち込んでおり、下半期の供給を痛めつける可能性もある。

コメの価格については、世界最大の供給国であるインドが2022年初めから課している輸出税が続く限り、高止まりするとみられる。

「多くの輸出国でコメの入手可能量がかなり限られている一方、唯一量を確保できているインドでは輸出税を設けて販売量を抑えている」とシンガポールに拠点を置く国際貿易会社のトレイダーは分析する。

「輸出入で上位を占める国のいずれかが生産の面で打撃を受けた場合、相場を大きく押し上げる要素となり得る」

2023年初の南米でのトウモロコシと大豆の生産見通しは明るいと見られているものの、豆類の最大輸出国であるブラジルは近年水不足に陥っており、懸念材料となっている。

米農務省によると、トウモロコシや大豆、小麦といった主要穀物の米国内での供給は、2023年にかけても低迷し続けると予測されている。

同省は、米国のトウモロコシ供給量が2023年の収穫前に10年ぶりの低水準に下落すると予測。大豆の在庫は7年ぶり、小麦の期末在庫は15年ぶりの低水準になるとの見通しが出された。

食用油として世界で最も消費されているパーム油は、東南アジアにおける熱帯低気圧の被害を受けている。同地域では高コストから化学肥料の使用量を比較的抑える傾向がある。

だが、インドや中国、ブラジルなど複数の国では、穀物価格の高騰が農家の作付け強化の後押しとなっている。

オレ氏は「複数の国で作付面積が拡大している一方、悪天候などの原因から生産高は引き続き落ち込んだままだろう。大幅に低下した供給を補充するほどの生産量には満たないとみられる」と指摘する。

By Naveen Thukral

[ロイター]
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