<当面、習近平は終身体制で中国共産党の総書記をつとめるだろう。しかし、党内の弱肉強食の権力闘争はさらに不透明になっていく>

中国共産党第20回全国代表大会(共産党大会)が北京で始まった。5年ごとに開かれるこの大会では党の報告や決議が行われ、閉幕の翌日には政治局委員25人による新たな常務委員の人事が発表される。

通常は指導部トップも刷新される。いつもの党大会なら、党総書記で国家主席の習近平(シー・チンピン)と首相の李克強(リー・コーチアン)が交代することになる。

しかし、習体制は異例ずくめだ。前回2017年の第19回党大会では、次期指導者が発表されなかっただけではない。習は翌年、事実上の終身体制を打ち立て、ライバルたちを追い落とした。なかでも首相の李の失墜は驚きだった。

これまでの党大会からは、その時々の政情不安がうかがえる。第1回党大会の開催は1921年、共産党が政府を樹立する前だった。5年ごとに開かれるようになったのは77年からで、ポスト毛沢東の秩序確立を模索していた頃だ。

指導部をきちんと交代することによって党が示そうとしていたのは、中国は権威主義的な体制であっても、世界が信頼でき、取引のできる相手だということだ。ここに「集団指導体制」の原則が加わる。

この体制の眼目は、総書記は権力を持っていても、あくまで同輩の中のトップにすぎず、他の指導部メンバーと現役を退いた長老が「新たな毛沢東」の出現を阻止するよう努めるというものだ。

だが、習の台頭は伝統を打ち砕いた。現在、中国を誰が治めているかは一目瞭然だ。第20回党大会後に変化は起きそうになく、当面は習が終身体制で総書記を務めるだろう。

党大会についてまず知っておくべきなのは、開幕前に権力闘争にはケリがつき、お膳立ては整っているということ。突発的な事態が起きない限り、議事は事前に決められたとおりに進む。

ここで展開されるのは、数カ月、あるいは数年かけて行われてきた根回しや賄賂や脅しの成果だ。しかし、権力闘争の結果は外部からはほとんど見えない。習の下で、党内の権力闘争はさらに不透明になった。

弱肉強食、権力体制上の政治ショー