なんと、世界の全人口5%ほどしかいない。世界の95%の人にとって、英語は母語ではないということだ。ちなみに、母語者の割合が世界で最も高いのは、中国語(12%)だ(Ethnologue 〈2022,25th edition〉より)。

これは日本で目にした光景だが、ぜひ紹介したい。

東京駅の構内で、観光客らしき白人の中年男性が日本人の男性駅員に、次のように英語で質問しているところに出くわした。

Where can I take the subway?

地下鉄はどこで乗れますか。

もし、うまく意思疎通ができなかったら、力になりたいと思い、すぐそばで見守っていた。

駅員は日本語なまりの強い英語で、大きな声で堂々と答えた。

「ダウン、ダウン、ツー・ダウン!」

OK. Thank you.

男性はお礼を言い、立ち去った。

なんとわかりやすい表現なのだろう。

私が駅員に近づき、「英語、上手ですね」と声をかけた。駅員は驚いたように私を見て、笑顔で制帽をかぶった頭をさげた。

ごくわずかの母語話者のために英語を話してあげている私たち日本人が、うまく話せないと恥ずかしがったり、卑下したりする必要はない。

日本語なまりの英語を、恥ずかしいと思う人は多い。でも、相手に伝わるのであれば、気にしているのは、自分くらいだ。ネイティブ並みの英語を話したければ、これから少しずつ近づけていけばいい。

英語に自信がなかったら、最初にこんなジョークのひとつでも言えば、気持ちがずっと楽になる。

You know what? My English is "made in Japan".

あのですね。私の英語は、"メイド・イン・ジャパン"なんですよ。

「おかえりなさい」は最高のおもてなし

「アメリカ人は田楽を食うけぇ。朝はハムエッグがいいずらぁ?」

何年か前に、山梨に住む外国や英語とは無縁の叔父から、立て続けに電話がきた。

二世帯住宅に住む息子の家に、アメリカ人が数日、ホームステイすることになり、てんてこまいらしい。

「食事は何を出せば、いいだ? 英語なんかいっさらしゃべらんから、困るずら」

当日、叔父は電話に出るやいなや、「グッドモーニング!」と陽気に挨拶する。

「いっさら通じんずら。ほんでも、楽しそうに笑ってるじゃん。今、昇仙峡に行ってるずらが、帰ってきたら『おかえりなさい』はなんて言うだ?」

Welcome home. / Welcome back.

旅行などで不在だったり、故郷に戻ってきたりした時に、こう言って迎える。毎日、帰ってくる人には言わない。しかも、叔父のところは、赤の他人の家だ。

あえて英語にしたいなら、Oh, you're back. / You're home. になる。

「おかえり」の温かさはない。山梨弁なら「帰ってきたけぇ?」だろうか。私は叔父に伝えた。

Hi. How was your day? / Did you have a good day?

今日はどうだった? / 楽しかった?

そんなふうに声をかけるほうが自然よ、と叔父に伝えた。

ネイティブも感心する日本人ならではの英語