<政府がNATO加盟の方針を打ち出したことを受け、ロシアと国境を接するフィンランドでは市民の買いだめや防空壕の点検などが急ピッチで進んでいる>

ロシアのウクライナ侵攻を受け、これまで保ってきた「中立」の立場を捨ててNATO加盟申請を方針を示したフィンランド。当然、これにロシアは「報復措置する」と反発し、ロシアとの国境地帯に住む住民たちの間では食料の買いだめやシェルターの点検など「戦争」に備えた動きが起きている。

フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とサンナ・マリン首相はNATO加盟について「遅滞なく申請しなければならない」との声明を出したが、これにロシア外務省は「(ロシア政府は)対応せざるを得ない」と反応。「安全保障上の脅威の発生を阻止するため、軍事技術的の面でもほかの面でも、報復措置を取らざるを得ない」とした。

そのためフィンランドの一部の住民の間では食料の買いだめなど、1000キロメートルを超える国境を接するロシアとの戦争に備えた動きが始まっている。

ロシア国境から約30キロに位置する南カルヤラ県の都市ラッペーンランタのキモ・ヤルバ市長は「多くの人々が72時間分の食料を買い込んでいる。市としては市内の防空壕を点検し、ハイブリッド攻撃の可能性に備えている」と語った。ヤルバが言うには、フィンランド人は恐れてなどいないが、準備はしているということだ。

核シェルターにはサッカー場も完備

プーチンが報復措置として「軍事技術的」な性質のものを選んだ場合、フィンランド人は国内に5万4000以上もある避難所に逃げ込むことになる。フィンランドは世界有数の地下シェルター網を誇っており、合計で440万人を保護することが可能。ヘルシンキだけで5500カ所以上も存在するという。

ヘルシンキの巨大な防空壕には室内サッカー場やスポーツジム、カフェテリア、子供の遊び場など何でもそろっており、核爆発からも人々を守ることができると当局は説明している。また市内の地下鉄は地下深くに位置しており、こちらも有事の際には全市民を収容できる核シェルターとして機能するという。

ロシアによるウクライナ侵攻は、この国の人々に否応なく「自分と家族の備え」について考えさせるきっかけとなった。だが、この国はずっと以前から、「有事」を想定した備えを築いてきていたようだ。

【動画】市民を攻撃から守る巨大シェルター
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