日本の生活に慣れたはずの私から見ても、日本人は他人に頼らなさ過ぎで、無駄な話をしなさ過ぎである。コロナ以前から、まるで身体から半径50センチに、物理的にも感情的にもソーシャルディスタンスの丸い輪があるように感じられた。話をしてみれば、意外によくしゃべる面白い人だったり、とても親切な人だったりするのだが、話し掛けるまでが難しい。

距離感は人それぞれだし、精神的・物理的な距離が長いほうが落ち着く人もいるだろう。しかし、全ての人が同じように距離を取って生活したいと思っている、とは考えないでほしい。しばらく話していない友人や家族が、今この時にも孤立し孤独を感じているかもしれない。

コロナ禍で苦しい時だからこそ連絡を取り合い、会えなくても他の方法でつながり、冗談を言い合ったり、励まし合ったり、泣き言を聞いてもらったりする時間がもっとあってもいい。それは非生産的で無駄な時間かもしれないが、生きていくには必要である。

toykyoeye_ishino_profile_w100.jpg石野シャハラン

SHAHRAN ISHINO

1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。シャハランコンサルティング代表。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」

Twitter:@IshinoShahran
【関連記事】