先週、BBCに出演したヒラリー・クリントン元米国務長官は「社会を封鎖する必要はないが、ワクチンを義務化する必要はある」と語った。これ以上ない悪いタイミングでの発言。イギリス国内で新規感染者数の再拡大が収まり始め、ロックダウンへの政治的な食指も衰えていたときだったからだ。

クリントンの指摘はアメリカにも言える。(ワクチン義務化に)抗議する労働者や親、「黒人の命は大事」運動の活動家たちまでがニュースを飾っているではないか。ワクチン義務化への抵抗は西側諸国で拡大こそしているが縮小は見られない。フランスではワクチン接種者が非接種者と並んでデモ行進している。個々人の健康状態を踏まえた決断を尊重することへの連帯を示しているのだ。アメリカも、ワクチンの接種回数による階層社会をつくるのではなく、個人の決断に寛容さを持ってほしい。

かつてレーガン元米大統領は、自由は唯一絶滅を見ないと語った。ワクチンを例外にはさせたくない。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 戦争インフレ
2026年4月28号(4月21日発売)は「戦争インフレ」特集。

ホルムズ海峡封鎖でガソリン・日用品が高騰。世界経済への悪影響と「出口」を読み解く

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます