「子供が恥をかかないように」とか「子供の成績が上がるように」などと気を回して、転ばぬ先のつえだと思って手助けをしようとするのはやめましょう。

親の力で良い子にしようと口を出す行為が、子供の成長の機会を奪っているのです。

世間体を過度に気にしたり、親が勝手な子供像を思い描いて足りない部分を数えるのは、親子ともに不幸なことです。

大人が待ってやることで、子供の自立は高まる

たとえば、わが子が友達とうまく交流できていないとしましょう。そんなとき、親はつい「もっとお友達と遊びなさい」とか「お友達と仲良くしなさい」と子供に伝えてしまうことがあります。

もちろん親としては善かれと思ってやっていることですが、子供自身にとっては良いことはほぼ起こりません。そもそも問題意識さえ持っていなかった子供にとってはとても不幸です。「自分は仲良くできないんだ」と要らぬ問題を自覚させられたり、仲良くできない自分に劣等感を抱くようになります。

もし子供自身が本当に友達と仲良くなりたいと悩んでいるのであれば、そのときこそ親の出番です。「人と仲良くするのって大人でも難しいんだよ。だから全然大丈夫。良い方法を一緒に考えようか」と言ってやれば、子供は安心するはずです。

子供には愛されているという安心感と同時に、あきらめずに工夫する大切さを伝えてほしいのです。子育ての最終目標は、子供が自分で問題解決をし、一人で無理な場合は周囲に助けを求められる人間に育てることといえます。

極端な話、命の危険があること以外は、子供に決めさせていいのかもしれません。自分で物事を考えて、判断して、決定するということの繰り返しをどれだけ積み重ねたかで、その子の大人になったときの自立度が変わります。

親から見れば遠回りだったり、失敗が目につく場合もあるでしょう。しかし、それがいいんです。どんなに時間がかかろうとも、そのプロセスに注目して子供を見守ってください。待ってやるのが、大人の大きな役割だと思います。

工藤校長が親に授ける子供の自主性を育てるコツ1

Q:「ルールを守る子にするには、どうしたらいい?」

ルールを守らせたいならば、それを決めるところから子供に任せてみましょう。自分が作ったルールであれば、守ろうとするモチベーションが生まれます。

麹町中は宿題も定期テストもなく、教員も「勉強しろ」とは言いません。入学してきた当初、子供たちは大喜びで自由を満喫します。

しかし、そのうち何も言われなくても自分から勉強するようになっていきます。どうしたらいいのかと常に問い続け、自分で考え、判断し、行動するようになる。その中で、「自由というのは楽しいことだけじゃない。自分のことに自分で責任を持つということなんだ」ということを徐々に理解できるようになっていくのです。

「任せる」と「見放す」はまったく別