CDU幹部は、今回の敗北が緑の党の人気やFDPの復活のあおりを食らったためと言いたいかもしれない。だが、それには無理があるだろう。

昨年のコロナ禍の拡大初期、メルケルとCDUの巧みな対応は国民から高く評価された。メルケルの支持率は70%を超えた時期もある。だが今は、ロックダウンが続き、感染拡大の第3波が到来し、ワクチンは不足しており、CDUに対する不満が高まっている。

CDUには、メルケルの強力な後継者候補もいない。一時は期待の星だったイェンス・シュパーン保健相は、検査とワクチン接種の遅れで、人気が急降下している。メルケルの忠実な右腕であるペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相も、ロックダウンに伴う経済支援の遅れを批判されている。

ラシェット党首(ノルトライン・ウェストファーレン州首相)も、首相候補として圧倒的な支持を得ているとは言い難い。支持率で上をいくCDUの姉妹政党CSU(キリスト教社会同盟)のマルクス・ゼーダー党首が首相候補になる可能性もある。

メルケルの手腕とカリスマのおかげで16年間政権与党の座にあったCDUは、自己満足に陥っていたのかもしれない。メルケルが首相候補からいなくなり、党改革の必要性が一気に露呈している。

バーデン・ビュルテンベルク州議会選は、もはやCDUが首相の座への「自動ドア」を持っているわけではないことをはっきり示した。

From Foreign Policy Magazine

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