「親が受け入れなければ、社会が変わることなんてない」

たとえ家族でも、別の人間のことをすべて知るなど不可能だ。グーチャオは「朝に目が覚めて、女性が好きになっていたらと思うことがある」と漏らす。LGBTとして生まれついたことは自身の選択ではない。同じように、多くの人が変えられない何かを秘めて日々を暮らしている。

家族同士がまったく同じ考えを持っていることもありえない。それでも理解したい・受け入れられたいと思うからこそ、人は他者と懸命にコミュニケーションし、伝え、知ることを通して関係を築く。しかしいま世界ではその正反対の分断、自分の見たいもの以外を正しくないと切り捨てる風潮が広がる。

当事者の親でもある支援団体代表がアンアンの母に「私たち親が受け入れなかったら、社会が変わることなんてない」と諭すシーンが印象的だ。

*  *  *
「出櫃(カミングアウト)――中国 LGBTの叫び」は1月23日より新宿K's cinemaで上映中。愛知、京都、大阪、岡山で順次公開予定。
【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます