<10年前の「アラブの春」で民主化を呼びかけたアメリカ中枢で起きた暴挙に、アラブ諸国では「善意が自分に戻ってきた」という皮肉な見方も>

今週6日、米連邦議会議事堂をトランプ支持者のデモ隊が一時占拠した事件について、アラブ諸国では「#AmericaSpring」というハッシュタグを付けたツイッター投稿が拡散している。2011年頃に中東各国で民主化運動が広がり、リビアやチュニジアなどでは数十年続いた独裁政権が倒された「アラブの春」と今回の事件を対比している。

トランプ支持者のデモ隊は6日、大統領選の結果を確定する上下両院の合同会議が行われていた連邦議会議事堂に乱入し、議員執務室や議場にも侵入した。これを警察部隊が催涙ガスや銃武装で排除しようとしたため、議事堂内外の各所で激しい衝突が起こり、議会警察に撃たれた女性1人など合わせて4人が死亡した。


(デモ隊に圧倒される議会警察)

アラブ諸国で拡散されたツイッターは今回の事件を、チュニジアからシリアまで反政府、民主化運動が広がり、一部の国で民衆が民主化や社会的自由を勝ち取った「アラブの春」と対比した。

サウジアラビアとエジプトでは、多くのユーザーがアラビア語で「#AmericanSpring」のハッシュタグを付けてツイートを発信。両国のトレンドランキングで上位に入った。

アメリカが推進した「創造的カオス」

議事堂にデモ隊がなだれ込む様子を捉えた大量の画像や映像がソーシャルメディアで拡散されるなか、あるユーザーは「これが今彼ら(アメリカ)に起きていることだ」とコメントした。

別のユーザーは「アラブ諸国の破壊を求めた『創造的カオス』に、とうとうアメリカ自身が苦しめられることとなった。アメリカの善意が一周回ってアメリカに戻った!」と書いた。


(#AmericanSpringのハッシュタグを付けたツイート投稿)

10年前に中東の「アラブの春」を報じたジャーナリストも、「#AmeicanSpring」のハッシュタグを付けて今回の事件についてコメントした。

ある投稿では「『アラブの春』を取材した特派員として、我々すべてに今回の事件を『アメリカの春』と呼ぶ責任がある」と書かれていた。

別の投稿は「今こそイラクと有志連合が、アメリカを解放してこの地域に平和と安定をもたらすときだ」と、2003年の米軍イラク侵攻になぞらえて皮肉った。

暴動は「第3世界」のもの?
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