さらに今回のミッションによって、太陽の周囲に形成される「太陽圏」の理解が進むと見られている。「太陽圏」は、太陽が放出するエネルギー粒子(太陽風)によって太陽系全体を包み込むように形成される、広大な泡のような領域だ。

「根本的に、太陽と太陽圏の関係を理解することは太陽系がどのように機能しているか理解するうえで重要な鍵になる」と、ミュラーは語る。

太陽に最接近する際、「ソーラー・オービター」は摂氏570度の高温に晒される。この極度の高温に耐えるために、探査機は特殊な耐熱シールドに覆われ、探査機内部や繊細な観測機器は摂氏50度以下に保たれる。

「最初の画像ですでに興味深い未知の現象が確認できる。最初からここまで素晴らしい結果が出るとは、実は期待していなかった」とミュラーは言う。

現時点では、キャンプファイアがそれよりもずっと大きい太陽フレアと同じメカニズムで発生しているのかどうかは不明だ。太陽フレアは地球からも観測され、送電網や通信網に障害を及ぼすことがある。

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最接近で観測された太陽光、磁場、動きのデータ SOLAR ORBITER ESA & NASA

研究者たちはこのミッションの観察研究によって、太陽表面よりも300倍高温の摂氏100万度に達する太陽コロナの高温にキャンプファイアが寄与しているかどうか、その疑問を解くことができるかもしれないと考えている。このミステリーは、何十年間も研究者を悩ませてきた。

6つの望遠鏡と4つの観測機器を搭載した「ソーラー・オービター」は今年2月10日に打ち上げられ、6月までに様々なシステムのチェックを行う試運転を終了した。ミッション全体は7年の計画で、半年ごとに太陽に接近して観測を続けることになっている。

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【動画】太陽の最も近距離から撮影された画像が初公開