サザンイリノイ大のチャッド・ハデルストン人類学教授は、こうした不安感は「終末論的な絵空事」だと話す。「世界中の研究は、まず何よりも先にこうした共同体が出現することを示している」とし、ハリケーン「カトリーナ」のような大災害後についての研究などを根拠に挙げた。

ミラー氏によると、フォーティテュード牧場の会員はあらゆる人種・民族系がいて総勢175人前後。ビジネスや軍の経歴を持つ人が多く、大半が政府を信用していないという。

ミラー氏は牧場の正確な位置を明かさないよう求めた。今はコロラド州に2カ所とウエストバージニア州に1カ所があるが、投資家を見つけられたら、さらに10州ぐらいまで増やせたらいいと考えている。

特殊集団

コロラド州キャッスルロックの会員のキキ・バンディラさん(53)は医療保険の仕事をしている。現代の技術への過度の依存を懸念しており、フォーティテュード牧場は生き残るための保険と考えている。「われわれは皆、一定程度の備えが必要だ。こうした動きは少しずつ主流になっていると思う。右派にしろ左派にしろ、米政府で起きているのは混沌状態だと思うからだ」と話した。

名をトムとだけ明かした、メリーランド州で住宅業を営む52歳の男性は、2021年に経済が破滅的な状態に陥るのを恐れ、交際相手と子供たちを連れて行く場所が欲しいと考えている。「そんなときに諦めようとする連中は多いだろうが、そんな連中のほとんどは、あの牧場にいようとはしないだろう」

米国民のどのぐらいが、こうした人々なのかを把握するのは難しい。多くは表だって活動していないからだ。しかしレディー・トゥー・ゴー・サバイバル社のロマン・ザラシェフスキ最高経営責任者(CEO)といった業界関係者は、活動に対する関心は高まっていると話す。

ザラシュエフスキ氏によると、同社が手掛けるサバイバルキット入りバッグやガスマスクの販売は「リベラルなプレッパー」からの引き合いで2─3倍に増えている。「こうした(リベラル系の)人々はトランプ氏がやっていることを懸念している」と説明し、全面的な内戦の勃発はあり得ないことではない」とまで語った。

プレッパー活動を行っている人々には、民間の運営するサバイバル目的のコミュニティーは万人向けではないかもしれないとの声もある。

緊急事態に備えてファミリーを訓練したり装備を販売したりするロッキー・マウンテン・リーディネスの経営者ドン・ロジャーズ氏は「互いにまったく見知らぬ100人ぐらいの人を1カ所の施設にぶち込むのは課題が大きいだろう」と述べ、「人々を統率する特殊な集団と特殊な指導者が必要になる」との見方を示した。

フォーティテュード牧場のミラー氏は、この牧場がまさにそうした集団になると信じている。「ここに来なければならなくなったということは、外では本当にひどいことが起きているということだ。そんなときに一体どこに行くつもりかね」と話した。

[ロイター]
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