アルゼンチン政府が債務の返済期限延長計画を示したことで、投資家は同国が再び本格的なデフォルト(債務不履行)に陥るのではないかと戦々恐々だ。

今月実施された10月の大統領選挙の予備選で、ポピュリズム(大衆迎合主義)に傾く野党候補フェルナンデス元首相が現職マクリ大統領を抑えて首位に立って以来、アルゼンチン資産は急落。中央銀行は外貨準備を費やして通貨ペソの防衛を迫られた。

政府は国内短期債務の多くについて借り換えが不可能になり、ラクンサ財務相は28日、機関投資家が保有する国内法に基づく債券の返済期限延長計画を示すとともに、対外債務と国際通貨基金(IMF)からの借り入れについても返済期限延長の意思を表明した。

この提案は議会の承認を得る必要がある。また返済期限を延長するだけで、元本削減(ヘアカット)は盛り込まれていない。

発展途上市場投資会社テリマーの計算によると、返済期限延長計画の対象となるのは短期債務70億ドル、長期債務500億ドル、IMF融資440億ドル。

アルゼンチンは過去にもデフォルトを起こした経緯がある。直近で最大級だった2001年のデフォルト後、同国は何年間も景気後退と経済危機に苦しみ、ようやく危機から脱したのは15年になってからだった。

投資家は、デフォルトが不可避か、返済期限延長がアルゼンチン経済の回復につながるか、国際法に基づく債券の保有者がどのような打撃を受けるかについて、見方が分かれている。

ドイツ銀行のホンタオ・ジアン氏は、アルゼンチンが直面するのが流動性危機だけであれば返済延期は役立つが、ソルベンシー(返済能力)に問題があるため、計画は機能しそうにないとみる。

ジアン氏は顧客向けノートに「間違いなくアルゼンチンの対外債務はデフォルトになるだろう。今回の発表自体がCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のデフォルト事由に相当するかどうかは定かでないが、この計画が実行されればデフォルトになり、CDSの保証が実行されるだろう」と記した。

5年以内のデフォルトの確率は80%