政治的爆薬

新たな不確定要素の1つは、ジョンソン英首相の存在だ。今回のサミットが国際舞台デビューとなる同氏は、英国の欧州における影響力が急低下し、米国への依存を強める中で、新たな外交方針を明らかにするとみられる。

ジョンソン氏は合意があってもなくても10月末の期限にEUを離脱すると宣言しており、ジョンソン政権は将来の貿易協定締結をにらんでトランプ政権に接近しようとしている。

英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)のフランソワ・エイスブール氏は「自制心があるとは寡聞にして知られていない」トランプ氏とジョンソン氏の合流は「政治的な爆薬」だと指摘。面白いかもしれないが、それがより現実的な形で進行していくとなれば話が違ってくると警戒する。

一方、専門家によると、ジョンソン氏は、トランプ氏の神経を逆なでして貿易協議を危険にさらすことは避ける半面、多国間主義を掲げる他の首脳の反感も買わないように慎重に振る舞うとみられている。

あるフランスの外交官は、同国政府はトランプ氏とジョンソン氏の組み合わせがサミットでどうなるかを興味深く見守っていくと語りつつ、いくらブレグジット(英のEU離脱)があっても、国際的な危機の際には英国はまずフランスとドイツを頼ろうとするとの見方を示した。

(John Irish記者、Marine Pennetier記者)

[パリ ロイター]
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