<銃乱射事件によって全米に衝撃が走るなか、著名な天文物理学者ニール・ドグラース・タイソン博士が4日にツイッターで投稿した内容が物議を醸している......>

米テキサス州エルパソで2019年8月3日、銃乱射事件が発生し、22人の尊い命が奪われたのに続き、4日未明には、オハイオ州デイトンでも銃乱射事件によって9人が死亡した。相次ぐ銃乱射事件によって全米に衝撃が走るなか、著名な天文物理学者ニール・ドグラース・タイソン博士が4日にツイッターで投稿した内容が物議を醸している。

銃乱射事件に心を痛める多くの人々から激しい非難を浴びた

タイソン博士は、ツイッターへの投稿で、「米国では、この48時間で、銃乱射事件により34人が命を落とした」とこれら2件の銃乱射事件の犠牲者について言及したうえで、「平均すると、48時間ごとに、医療事故で500人、インフルエンザで300人、自殺で250名、交通事故で200人、拳銃による殺人で40人が亡くなっている」とデータを示し、「我々の感情は、データよりも光景に反応しやすい」との私見を示した。



この投稿は、銃乱射事件に心を痛める多くの人々から激しい非難を浴び、タイソン博士は、5日、一連の騒動についてフェイスブックで釈明した。「客観的で正確な情報を提供することで、予防可能な死因についての建設的な議論に役立てたかった」とこの投稿の意図を改めて説明するとともに、「多くの人々がショックを受け、そのショックから立ち直ろうとしている最中において、私がツイッターで投稿した情報は、事実であれども、役に立たないものであった」と反省の意を述べている。

「医療事故が第三位の死因」、2016年の調査結果だが......

では、タイソン博士が引用したデータは、本当に客観的で正確な情報だったのだろうか。米国では、米国医学研究所(IOM)が1999年11月に「予防可能な医療事故によって年間9万8000人が病院で死亡している」との報告書を公表して以来、およそ20年にわたり、その真偽について議論されてきた。2000年7月には、米インディアナ大学の研究チームが「米国医学研究所の報告書は、医療事故による死亡を誇張している」との研究論文を発表。米国医学研究所のデータは、医療事故がなかった場合の死亡を考慮していないなどの問題が指摘されている。

50分の1から80分の1である